レア車も発掘 「風の丘」に残された廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2024.12.22 18:25

乾いた風が吹き荒れる丘陵地帯に、数千台のクルマが眠っている。米ミネソタ州の巨大ジャンクヤードで見つけた「廃車」を、味わい深い写真とともに紹介する。

フォード・サンダーバード(1996年)

(翻訳者注:この記事は後編です。前編と合わせてお楽しみください)

この1996年型フォード・サンダーバードは、ウィンディ・ヒル・オートパーツに引き取られるまで、25年間ミネソタの道路を走り続けた。ボディは腐食もなく、非常に良好な状態である。内装も素晴らしい状態を保っているが、運転席のガラスが取り外されたことで、すぐに悪化してしまうだろう。

フォード・サンダーバード(1996年)
フォード・サンダーバード(1996年)

1996年には約8万5000台が販売されたが、最も多く売れた1978年の35万2000台とは大きくかけ離れている。

シボレー・マスター・デラックス(1939年)

こちらは賞味期限が過ぎた1台だ。このようなひどい状態では見分けがつかないかもしれないが、1939年の2ドアのシボレー・マスター・デラックス・タウンセダンである。値段が60ドル安かったマスター85とは異なり、デラックスには独立フロントサスペンションが装備されている。大ヒット商品となり、シボレーはライバルのフォードを9万台上回る販売台数を記録した。

シボレー・マスター・デラックス(1939年)
シボレー・マスター・デラックス(1939年)

シボレー210(1956年)

この1956年型シボレー210の2ドア・セダンは20万6434台製造され、その年、4ドア・セダンのベルエア(28万2476台)と210(29万8935台)に次ぐ、3番目に売れたモデルだ。1955年から1957年の間に約500万台の「トライファイブ・シェビー」が製造されたが、生産台数は年を追うごとに徐々に減少していく。

この個体は、フロントバンパーを掴んで持ち上げようとした形跡がある。

シボレー210(1956年)
シボレー210(1956年)

ダッジ(1937年)

ウィンディ・ヒル・オートパーツは1964年に創業した。おそらく、それ以前の年代のクルマも当時から保管されていたと思われる。丘の頂上にある人里離れた場所に、100年近く前の戦前のクルマが数多く残されている。現在では、ほとんどが錆びた無名の廃車と化しているが、これは1937年型ダッジであることが分かる。

ダッジ(1937年)
ダッジ(1937年)

AMゼネラル・ジープDJ(1975年)

AMゼネラルは、民生用ハマーと軍用ハンビーの製造で最もよく知られているかもしれない。しかし、AMCの傘下にあった1970年代には、米国郵便公社向けに右ハンドル仕様のジープDJ配達用バンを製造していた。このCJから派生した二輪駆動のモデルは、ディスパッチャーとも呼ばれ、1955年から1984年まで生産されていた。この個体は1975年の車両である。

AMゼネラル・ジープDJ(1975年)
AMゼネラル・ジープDJ(1975年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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