レア車も発掘 「風の丘」に残された廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2024.12.22 18:25

ナッシュ・アンバサダー(1939年)

戦前のナッシュ・アンバサダー・エイトがジャンクヤードに放置されているのを最後に見たのはいつだろうか? この個体は1939年型と考えられる。同年、ボディ一体型のヘッドライトと独特の縦型フロントグリル(この個体にはすべて欠けている)が初めて登場した。

ナッシュ・アンバサダーは1927年から1957年まで製造されたが、車名自体はナッシュブランドが消滅した後も生き残り、AMCとして1974年まで存続した。

ナッシュ・アンバサダー(1939年)
ナッシュ・アンバサダー(1939年)

フォード・クーリエ(1955年)

このモデルが製造された1955年を含め、フォードは1950年代の大半を通じて、セダンデリバリーにクーリエの名称を使用していた。ライバルであるシボレーのセダンデリバリーと同様、クーリエは後部座席のない2ドア・ワゴンで、サイドウィンドウはスチールパネルに置き換えられている。

1950年代は、このタイプの車両の全盛期であったが、メーカーがフルサイズの2ドア・ワゴンを製品ラインナップから外したことで、徐々に姿を消していった。

フォード・クーリエ(1955年)
フォード・クーリエ(1955年)

クライスラー・ニューポート(1966年)

1966年、クライスラー・ニューポートの購入者は、3種類のエンジンオプションから選択することができた。その中には、新型の7.2L V8エンジンも含まれていた。最高出力365psで、重量4010ポンド(約1820kg)の車体で0-97km/h加速6.9秒を達成する。この端正な個体は、同年に販売された2万4966台の4ドア・ハードトップのうちの1台だが、ボンネットの下に何があるのかはわからない。

クライスラー・ニューポート(1966年)
クライスラー・ニューポート(1966年)

フォード・サンダーバード(1963年)

1963年にはフォード・サンダーバードの販売台数は6万3313台に落ち込み、これが3代目モデルの3年目にして最後の年となった。この個体はランドーで、リアピラーにSバーを備えたビニールルーフに加え、木目調の内装が特徴的である。1年前に発表されたばかりだったが、すぐに人気を博し、1963年には1万2193台が販売された。

フォード・サンダーバード(1963年)
フォード・サンダーバード(1963年)

シボレー・コルベットC4

またもや、燃え尽きたコルベットだ……。C4が他のクルマよりも発火しやすいという証拠はないが、筆者が旅をする中で、炎上後のC4を数多く見てきた。残念ながら、この個体はほとんど何も残っていない。

ここは、ヤードの「エキゾチック」な一角のようで、ファイヤーバード、カマロ日産のZ、そして珍しいポルシェもある。

シボレー・コルベットC4
シボレー・コルベットC4

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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