【遂にプレリュード・プロトを試乗】ホンダ次世代技術『S+シフト』採用! e:HEVが全方位で進化

公開 : 2024.12.18 00:00

ホンダ独自のハイブリッド『e:HEV』次世代技術の取材会。注目すべきポイントは2つ、エンジンとモーターを制御してレスポンスを高める『ホンダ S+Shift(エスプラスシフト)』、それを採用したプレリュード(プロト)です。

ホンダ S+シフト」とは?

ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム『e:HEV』を全方位で進化させながら、ホンダらしい『五感に響く』、つまりはe:HEVの特性を活かしながらドライバーとクルマの一体感を際立たせる『操る喜び』を追求した機能が、この『ホンダS+シフト(以下、S+シフト)」だ。

ホンダでは現行型のフィット e:HEVから、車速とエンジンサウンドを連動させる制御『リニアシフトコントロール』を搭載しているが、今回これを進化させ、加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現する。

ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。
ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。    篠原政明

さらに、エンジン回転数と同期した迫力ある音をスピーカーから流すことでエンジンサウンドの音質を高める『アクティブサウンドコントロールシステム(ASC)』も採用し、またASCと強調して俊敏に反応するメーターなどにより五感を刺激し、ドライバーとクルマが『シンクロナイズ(Synchronize:一体化)』するような、爽快で意のままの走りの提供を目指している。

『S+シフト』の名称には、S600S2000、タイプSといったホンダの操る喜びの根源となるスポーツスピリットを表すモデルや技術に冠する『S』に、『シンクロナイズ(Synchronize)』/『スペシャル(Special)』/『センセーショナル(Sensational)』など、個の機能がもたらす新たな価値をプラス(+)し、人とクルマを新たな世界に『シフト(Shift)』させていくという思いが込められているという。

高性能エンジン車を操っているような喜びを五感で味わえる

システムの概要としては、e:HEVの2基の大出力モーターとASCを連動させ、エンジンの迫力あるサウンドでドライバーの高揚感をかき立て、しかも鋭いシフトフィーリングを実現している。S+モードではタコメーターも表示され、ASCと連動してクルマとの一体感を増幅する。

また、現行e:HEVのリニアシフトコントロールを進化させ、全車速域において運転状況に応じたシフトアップ/ダウンの変速を実施する(今までのリニアシフトコントロールはアップのみだった)。

ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。
ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。    篠原政明

また、パドルシフトを一定時間引きっぱなしにするとシフトがホールドされ(今までのe:HEVではパドルの減速セレクターにこの機能がなかった)、運転状況に合わせた最適なエンジン回転数を維持し、再加速時におけるエンジン発電能力を駆動力へ活用する。

これにより、アクセルを踏んだ際のモーター初期応答時間を大幅に短縮させ、ドライバーの操作と直結した、リニアなレスポンスを発揮する。

なお、e:HEVはメカニカルな変速機構は持たないが、S+シフト作動時には前述のようにパドルシフトの操作でマニュアル変速が可能で、あたかも有段ギアを変速したかのようなドライブフィールを実現する。

エンジンと大出力モーターの強調がもたらすリニアな変速が、ドライバーの操作にダイレクトに呼応する、操る喜びを提供してくれる。

つまり、駆動そのものはe:HEVのモーター主体なのだが、運転状況に応じた緻密なエンジン回転数コントロールやダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速、そしてASCとメーターの表示などで、あたかも高性能エンジン車を操っているかのような感覚を味わえる、ホンダらしい次世代技術というわけだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事