今でも俊足で頼もしい! アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(2) 入手困難な部品多数

公開 : 2025.01.05 17:46

購入時に気をつけたいポイント

ボディとホイール

ボディは錆びにくい。だが、ホイールアーチやサイドシル、センターピラー、ジャッキアップポイント、フロア、ドアの底面、荷室の床面、テールゲート・ヒンジ、ウインドウモール周辺、ヘッドライト・リフレクター、サンルーフのドレンホールなどは弱点。

アルミホイールは、幅が6Jのロナール社製が標準。稀に、7Jのフックス社製も装備されている。後期型では、今回の車両のように8Jのロナールが標準になった。

エンジン

アウディUrクワトロ(1980〜1991年/英国仕様)
アウディUrクワトロ(1980〜1991年/英国仕様)

エンジンオイルとラジエタークーラント、ガソリンの漏れがないか良く確かめる。冷間時に始動させ、排気マニフォールドからカチカチと音がする場合は、ひび割れしている可能性がある。

エンジンマウントと、ヒートシールドの状態を確かめたい。ステアリングホイールを目一杯左に切り、右側のタイヤ後方にあるオイルパイプや、オイルクーラーの損傷具合も観察する。ターボのオイル・リターンパイプの状態もチェックポイント。

インジェクターは、Oリングの劣化でガソリン漏れすることがある。ガソリン・ディストリビューターが詰まることも。ウォーターポンプの交換は簡単ではない。

トランスミッション

センターデフを備えた5速マニュアルは、基本的には堅牢。クラッチの滑りや、リリースベアリングのノイズがないか、試乗で確かめる。トランスミッションフルードやデフフルードが漏れていないか、観察もしたい。

ブレーキとサスペンション

ダンパーからの液漏れや、サスペンションスプリングの割れがないか観察する。ブッシュとプロペラシャフト、ドライブシャフトブーツ、トラックロッドなども状態を確かめる。

サブフレームは、亀裂に注意。特に後期型のリア側は割れやすい。サブフレームのマウントも、劣化していて不思議ではない。

ブレーキは、アキュムレーターが24万km前後で駄目になるといわれている。ブレーキキャリア・ボルトは錆びがち。キャリパーの固着や、フルードホースの劣化にも要注意。

インテリア

後期のMB型では、デジタルメーターの表示がグリーンからオレンジに変わった。すべて点灯するか観察する。ワイパーレバーの先端を押すと、コンピュータの合成音声が再生される。

ダッシュボードの状態だけでなく、ドアロックにパワーウインドウ、サンルーフ、シートヒーター、エアコンなどが正常に動くか、一式操作してみる。ステアリングのチルト機構が動くかも確認したい。

シートフレームは、ひび割れすることがある。シートのサイドサポートは摩耗しがち。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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