充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!

公開 : 2025.01.01 19:05

0-100km/h加速3.9秒 気持ちの良い5速MT

というわけで、雨で濡れた12月の公道へ。2.0Lエンジンは、セブン 420と同じチューニングだという。車重は620kgしかなく、5速MTは極めてスムーズ。0-100km/h加速を3.9秒でこなせる。最高速度は、218km/hに届くそうだ。

パワーバンドは高域側にある。回転を引っ張ってシフトアップすると、とても速い。

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)
ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)

低域でもレスポンスに優れ、リニアに速度は上昇するが、高速道路での追い越しは3速の方が妥当。ただし、サスペンションはしなやかに動くのだが、ウェットではトラクションが抜けやすい。回し過ぎには注意が必要だ。

この時代に、気持ちの良い5速MTを操れることがうれしい。マツダの技術者は、素早く滑らかに変速できることに関して、相当な知見を有している。きっと、愛車のセブンで早朝の峠道を流している人物が、日本にいるに違いない。

指摘するなら、低速域ではギアの遊びが大きいように感じられた。ワーンという唸りも聞こえる。

3枚のペダルの重さは、一貫していて理想的。ブレーキは頼もしく、足を支える支点にもなる。アクセルペダルの位置を、見誤らなければ。

駐車時などは、小さなステアリングホイールがかなり重い。ロックトゥロックが2回転もないから、仕方ないといえるが。速度が増すと軽く転じ、反応は極めて正確。直進性にも優れている。

乗り心地は素晴らしい。バネ下重量が軽く、路面との追従性にも不満はない。

充分に濃いセブンの旨味 過去1の快適性

ナローボディのセブンほど、運転体験はピュアではないといえるが、僅かな違いでしかなく、セブンの旨味は充分に濃い。恐らく、この敏捷さには誰もが驚くはず。最高のドライバーズカーだ。

ABSもトラクション・コントロールも備わらない。今回は濡れた路面がキンキンに冷えていたから、悪ふざけは抑えておいた。ガソリンタンクの容量は30L。丸2日間思いのままに走らせて、12.4km/Lの燃費を得られた。

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)
ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)

ケータハムとして考えると、英国価格は驚くほど高いといえる。この特別仕様の反響が、今後のモデル展開と価格に影響するのではないかと筆者は想像している。半キット状態のセブン 170は、2万9490ポンド(約575万円)と安すぎるのかもしれない。

従来のセブンより高級感は高く、乗り心地は快適で、ほぼすべての個性を継承している。長距離移動の安楽さでは、ケータハムの過去1番といっていい。この特別仕様でなくても、セブンなら多くのスポーツカー以上の運転体験を享受できるけれど。

◯:比較的快適な乗り心地 最高の運転体験
△:セブンとしては高すぎる 閉めるのが難しいソフトトップ

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)のスペック

価格:7万9995ポンド(約1560万円)
全長:3360mm
全幅:1700mm
全高:−mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:12.4km/L(試乗時)
CO2排出量:−g/km
車両重量:620kg
パワートレイン:直列4気筒1999cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:213ps/7600rpm
最大トルク:20.7kg-m/6300rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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