メルセデス・ベンツ主力「Cクラス」、「GLC」電動化に向け準備中 MB.EAプラットフォーム採用

公開 : 2024.12.20 06:25

メルセデス・ベンツはCクラスとGLCのフル電動モデルを開発中で、2026年より導入予定だ。EV向けのMB.EAプラットフォームを採用するが、エンジン搭載の現行車も大幅アップデートを受けて販売継続する予定だ。

電動Cクラス、現行車のアップデート版とともに販売

メルセデス・ベンツは、将来のEVラインナップの「背骨」とされるプラットフォーム、MB.EAを新たに導入する。

MB.EAプラットフォームは、同社のベストセラーモデルであるGLCを含め、2026年から始まるCクラスの電動化を支えることになる。

メルセデス・ベンツCクラスのフル電動モデルは2026年に発売予定だ。
メルセデス・ベンツCクラスのフル電動モデルは2026年に発売予定だ。

新型CクラスおよびGLCは、MB.EAの中型車バージョンをベースとし、ラインナップにおいて新型CLAとEQEの間に位置する。BMWの新型3シリーズやテスラモデル3に対抗することになる。

次期CLAでは効率性を大幅に向上させ、8.0km/kWh以上の電費と640km以上の航続距離を実現しようとしていることから、Cクラスもこの性能に匹敵するか、上回ることが期待される。

CクラスとGLCが電動化されるとはいえ、MRAプラットフォームをベースとする既存のエンジン車の終焉を意味するわけではない。

メルセデス・ベンツのCEOであるオラ・ケレニウス氏は最近、AUTOCARのインタビューに応じ、十分な需要がある限りはEVとエンジン車それぞれに異なるプラットフォームを開発する用意があると語った。

「市場の100%がEVになると確信できないのであれば、両方の選択肢を用意しなければならない。妥協することなく、EVとICE(内燃機関)バージョンを提供する必要がある。そのシナリオで実行可能な唯一の解決策は、2つのプラットフォームを用意することだ」(同氏)

また、新型EVに合わせるため、現行のCクラスとGLCも大幅なアップデートが予定されている。EVとエンジン車のデザインおよび名称を統一する意向であることから、内外装は似たものになるだろう。しかし、使用されるプラットフォームが異なるため、前後のオーバーハングが短くなるなど、小さな違いは生じるはずだ。

カモフラージュされたプロトタイプの画像から、EQXXコンセプトの空力設計を応用し、現行車よりも前面投影面積を抑えていることがうかがえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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