気が利くステーションワゴン健在! アウディA5 アバント 2.0 TDIへ試乗 得意分野は高速道路

公開 : 2025.01.13 19:05

A4からA5へ改称 5ドアハッチバックとステーションワゴンの2種体制 HVの2.0 TDIは203ps Q6 E-トロンへ通じるモダンな内装 バランスの良い操縦性 高速道路が得意分野 英編集部が評価

2024年にも重要なポジションを守っていたA4

先代までA4を名乗っていたステーションワゴンの新世代が、グレートブリテン島へやって来た。呼称はA5へ改められ、4ドアサルーンは5ドアハッチバックへ置き換えられたが、ステーションワゴンのアバントは従来どおり存在する。

パワートレインは、2.0L 4気筒のガソリンターボとディーゼルターボから選択できる。2025年の上旬には、2種類のプラグイン・ハイブリッドも追加予定。V6ガソリンターボを積んだハイブリッドの、S5も用意される。このラインナップには、安心感がある。

アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)
アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)

全高の低い5ドアハッチバックやステーションワゴンは、モダンな選択肢とはいいにくいかもしれない。それでも、アウディでは2024年にも重要なポジションを守っていた。世界的な販売数で見ると、8.9%をA4が占めていたという。

新しいA5では、プラットフォームを改良。全長は約70mm、全幅は約10mm大きくなったボディは、空力特性が入念に煮詰められた。パワートレインのアップデートにも余念はない。

英国での主力となるのは、2.0Lガソリンターボの2.0 TSI。ディーゼルターボの2.0 TDIは、さほど売れないと予想されている。しかし、ドイツでは依然として高い需要があるとか。そのお陰で、この土地でも選ぶことが可能になった。

ちなみに、BMWはディーゼルターボの320dと330dを、英国市場から撤退させている。販売が伸びないことを理由に。その数100台ぶんの需要が、流れる可能性はある。対象的な判断だ。

ハイブリッドの2.0 TDI 高速道路が得意分野

今回試乗したのは、出荷される順番を理由に、前輪駆動の2.0 TDI。4気筒エンジンを始動させると、冷間時には少し大きめにジャリジャリというノイズが聞こえてくる。しかし充分に温まると、スッと静かに転じる。

ハイブリッドで、エンジンは停止する時間が比較的長い。アウディはマイルドだと主張するが、25psを発揮する電気モーター単体でも、A5 アバントを走らせることはできる。

アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)
アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)

市街地など、アクセルペダルを軽く踏んでいる限り、ある程度は電気の力だけで賄われる。必要になると、即座に203psのディーゼルエンジンが目覚めてくれる。

燃費は、大幅に改善したわけではないようだが、カタログ値で18.9km/Lがうたわれる。今回の試乗では市街地から郊外まで複合的に走らせて、平均17.0km/L程度を得られた。高速道路の巡航では、18.5km/Lに迫っていた。

フォルクスワーゲン・グループのクルーズコントロールは有能。少し耳障りな警告音は簡単にオフにできるから、高速道路の巡航はA5の得意分野といえる。突出しているわけではないが、車内も非常に静かだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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