気が利くステーションワゴン健在! アウディA5 アバント 2.0 TDIへ試乗 得意分野は高速道路

公開 : 2025.01.13 19:05

硬めの乗り心地 バランスの良い操縦性

少し疑問を抱いたのが乗り心地。英国では、発売からしばらくは特別仕様のローンチエディションのみの提供となり、S5には標準のアダプティブダンパーが組まれるのだが、若干硬すぎるように感じた。減衰特性も、更に磨く余地はあるかもしれない。

通常の英国仕様では、可変式ではないダンパーが組まれる。スポーツサスペンションの乗り心地がどの程度引き締まるのか、気になるところだ。

アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)
アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)

ステアリングは適度に軽快で、手のひらへ感触もある程度伝わり、操縦性はバランスが良い。BMW 3シリーズを超えるほどではないものの、反応を予測しやすく扱いやすい。

ちなみに、オプションでOLEDテールライトを組むと、緊急時の警告ピクトグラムなど、復数のグラフィックを路面へ投影することが可能になる。A5の後方へ何か映し出されたら、うっかり見とれないようにしたい。

インテリアは、素材感が質素な印象ながら、アウディQ6 E-トロンへ通じるモダンなデザインが展開されている。居心地は良いものの、造形的な特徴はやや薄いかもしれない。

存在感が強めの、タッチモニターの操作性は悪くない。ステアリングホイールは4スポーク。試乗車にはオプションの電動シートが据えられ、サポート性が高く座り心地に優れていた。

お値段的には現状以上を期待したくなる?

A5 アバント 2.0 TDIの英国価格は、4万7800ポンド(約932万円)から。初回のローンチエディションは、5万8125ポンド(約1133万円)へ上昇する。使い勝手の良いサイズで、運転しやすい上級ステーションワゴンへ仕上がったようだ。

ただし、内装の質感や実用性の高さ、運転の楽しさなどが、ライバルを凌駕するとは表現しにくい。お高めの値段を踏まえると、現状以上を期待したくなるのは筆者だけではないだろう。

アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)
アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)

アウディA5 アバント 2.0 TDI ローンチエディション(英国仕様)のスペック

英国価格:5万8125ポンド(約1133万円)
全長:4829mm
全幅:1860mm
全高:1460mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:138g/km
車両重量:1835kg
パワートレイン:直列4気筒1968cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:軽油
最高出力:203ps/3800-4200rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-3250rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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