刺激的な「ブリティッシュ」トリオ! 異なる個性が生む充足感 BBDC 2024(6) 頂上決戦

公開 : 2025.01.02 09:45

乗り出してすぐに夢中になれる元エリーゼ

白眉と表現したいほど安定し、限界領域へ迫っても乱れない。コーナーでアクセルペダルを僅かに緩めれば、フロントノーズが反応。クワイフ社製デフが効果的に機能し、踏み込めば即座に加速へ繋がる。

ラップタイムを狙うなら、勇気を振り絞ることになる。真剣に向き合うためのベースとして、圧巻の一体感がある。

グリーンのアストン マーティン・ヴァンテージと、イエローのマクラーレン・アルトゥーラ、ブラックのアナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ
グリーンのアストン マーティンヴァンテージと、イエローのマクラーレンアルトゥーラ、ブラックのアナログ・オートモーティブ・スーパースポーツ

入力へ忠実で、反応は緻密。徐々にブレーキングポイントを遅らせられ、最終的にはノーブレーキで突っ込めるコーナーも現れてくる。タイヤはトーヨー。車重は699kg。なんと深く惹き込まれるロードスターなのだろう。

乗り出してすぐに夢中になれる。これこそ、究極のドライバーズカーへ求められる強みではないだろうか。ドライバーとマシンが1つになったような感覚があり、攻めれば攻めるほど、結びつきは深くなっていく。

突き詰めると、濡れたアスファルトでは若干の不安定さが顔を出す。とはいえ、サーキットで真価を発揮するほど高次元でありながら、平滑ではない公道でもすこぶる面白い。アナログ・オートモーティブのレストモッドは、見事だといっていい。

コースを40周した後でも、時間が許す限り、延々と楽しめるかもしれない。こう感じたのは、筆者だけではなかったようだ。

「エリーゼの場合、パワフルになるほどドライバーが報われなくなる、という過去の方程式があります。でも、この場合は当てはまりませんね」。アンドリュー・フランケルらしい褒め言葉だ。

この続きは、BBDC 2024(7)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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