誰もが称賛! 「圧勝」を決めたマクラーレン・アルトゥーラ BBDC 2024(8) 10台の得点は?

公開 : 2025.01.04 09:45

AUTOCARの年末恒例、最高のドライバーズカーを決めるBBDC選手権 GRヤリスにエメヤ、アルトゥーラまで多彩なノミネート 公道とサーキットで徹底比較 最高得点を掴む栄えある1台は?

「本当に最高」「信じられない」「圧倒された」

3日間という短くない時間をかけて、ひたすら運転し、議論を重ね、最終結果が導かれた。ガソリンタンクは空になり、駆動用バッテリーの充電は切れた。休憩コーナーに用意してあったお菓子も、全部食べきった。

審査員6名の配点を集計した結果、2024年の英国ベスト・ドライバーズカーに選出されたのは、プラグイン・ハイブリッドのスーパーカー、マクラーレンアルトゥーラだ。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

例によって満場一致の結果ではないが、今回はそれに近い配点だった。審査員の内、5名がアルトゥーラへ最高得点を与えていた。公道とサーキットで、それぞれ25点を満点としているが、20点より低く評価したのは1ステージで1人だけだった。

「本当に最高」「信じられない」「圧倒された」。そんな表現が、アルトゥーラを振り返る時にしばしば使われた。特に、3.0L V6エンジンのターボラグを巧妙に穴埋めする、電気モーターの仕事ぶりを称賛しない人はいなかった。

公道で感服したのが、コミュニケーション力に長けた高解像度のステアリングと、傷んだアスファルトを滑らかに処理するサスペンション。不気味と表現したくなるほど、高速域での運転は安楽だった。日常的な速度域での扱いやすさにも、舌を巻いた。

アップデートを受けた2024年は圧勝

余りの落ち着きぶりに、もう少しドラマチックさが欲しいと感じた審査員はゼロではない。それでもサーキットでは、深い信頼感から、速さを追求することを可能としていた。動的能力では、ノミネート車両の中で群を抜いていたことは明白だ。

アルトゥーラは、登場直後の2022年にもBBDC選手権へノミネートし、4位へ入賞している。その時は、運に恵まれない部分もあった。しかしアップデートを受けた2024年は、圧勝してみせた。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

2位に選ばれた、アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツとの差は12ポイント。むしろ、260ポイントを得たアルトゥーラを過小評価したかもしれない、と話す審査員がいたことも事実ではある。マクラーレンは、BBDC選手権で2度目の優勝だ。

スーパースポーツは、レストモッド・モデルとして歴代最高となる、248ポイントを得ている。過去に例のない仕上がりだったことは、間違いない。アストン マーティンヴァンテージは、244ポイントという僅差で3位となった。

トップ3以外を見ていくと、ヒョンデアイオニック5 Nが、バッテリーEVとしては過去最高位の5位を掴んでいる。2020年のポルシェタイカンは6位。電動の優秀なドライバーズカー誕生を意味する結果といえ、注目に値するだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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