【話題の主役はBEV】ディーゼルとAMGに新型メルセデス・ベンツGクラスの本質を見た!

公開 : 2024.12.23 11:05

変わらないという価値を持つG63

洗練した印象をG450dで感じた後に、G63にオンロードで試乗。するとこちらは古典的な印象を受けた。4.0LV8ツインターボを搭載したG63は、最高出力585ps、最大トルク850Nmを発生。そのパフォーマンスを使い切ることは難しいが、野性的なエンジンサウンドは相変わらずだ。

電子制御の可変減衰ダンパーと油圧式スタビライザーが採用されているものの、ワインディングを走るとそのロール感とコーナーリングはラダーフレームであることを隠しきれない。リニアとは遠い古典的なフィーリングだ。

AMGモデルとなるG63には、オンロードで試乗。そのサウンドは野性的ですらある。
AMGモデルとなるG63には、オンロードで試乗。そのサウンドは野性的ですらある。    神村聖

アクセルを開ければ野性的なサウンドは主張を増し、2570kgの車体を感じさせない暴力的な加速を見せる。このサウンドとフィーリング、そして現代的とは言えないコーナーリング時の感触。Gクラスの歴史を考えれば本流とは言えないかもしれないが、むしろ『変わらないことの価値』を持っているのはG63ではないかと感じた。

電動化が叫ばれる昨今、絶滅危惧種と表現される大排気量のハイパフォーマンスエンジンを搭載したモデルは、世界のセレブリティの間で人気が高い。Gクラスの中で最も売れていると言われているG63だが、変わることのないこの古典的なフィーリングが心を射止めているのではないかと強く感じる。

先進のG580、伝統と洗練が両立するG450d、そして不変で古典的なフィーリングを持つG63、同じGクラスでもキャラクターは三者三様で際立っていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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