【さすがはMスポーツ】BMW M135xドライブは永く付き合いたいホットハッチ!

公開 : 2024.12.26 07:05

4代目にフルモデルチェンジした1シリーズに設定された『BMW M135 xドライブ』に初試乗。そのパフォーマンスはまさにホットハッチと呼べるものです。篠原政明がインプレッションをレポートします。

FF化されても走りの楽しさは忘れない

4代目にフルモデルチェンジされたBMW 1シリーズが日本デビューを果たした。そのルーツは2001年に登場した『3シリーズ・コンパクト』だが、2004年には『1シリーズ』として初代がデビュー。駆動方式は上位モデルと同様のFRとしていたが、2019年に登場した3代目からは同グループのミニとプラットフォームを共有する関係もあり、FFとなった。それでも『駆け抜ける歓び』を標榜するBMWらしく、走りの楽しさに変わりはない。

まず日本に導入されたのは、1.5Lの直3ターボを搭載した『120』と2Lの直4ターボを搭載した4WDの『M135 xドライブ』の2グレード。車名を見ておや? と思われた読者諸氏もおられるだろうが、この新型1シリーズから高効率ガソリン車のモデル名の最後に付いていた『i』は廃止され、今後は電気自動車を意味する文字として電気自動車のみに採用される。もっとも、当初はインジェクションを意味するiだったし、いまやキャブレター車も存在しないのだからiが付いてなくても問題ないだろう。

4代目にフルモデルチェンジされたBMW 1シリーズがデビュー。今回はM135 xドライブに試乗。
4代目にフルモデルチェンジされたBMW 1シリーズがデビュー。今回はM135 xドライブに試乗。    田中秀宣

さて、今回の試乗車は後者のM135 xドライブ(以下、M135)。BMW M社が開発する、本格的なサーキット走行で培われた技術を取り入れて走行性能を高めた『Mパフォーマンスモデル』だ。2Lターボは最高出力300ps/最大トルク400Nmまでパワーアップされ、7速DCTを介してフルタイムで4輪を駆動する。さらにハイパワーに対応すべく、サスペンションやブレーキなどを強化している。

最近では死語になりつつあるが、Cセグメントハッチバックのホットモデル、いわゆる『ホットハッチ』と呼べるモデルだ。SUVやミニバンが主流の昨今でも、この手のクルマのマニアは少なくない。まずは、そのパフォーマンスの片鱗を味わってみることにしよう。

エアロパーツで武装し足まわりも強化

サイズもフォルムも従来型とほとんど変わらないので、マイナーチェンジでは? と思われてしまうが、よく見るとデザインはかなりブラッシュアップされている。最新のBMW車はキドニーグリルが巨大化しているが、この新型1シリーズは従来型と変わらない大きさで、個人的には好ましく感じた。

M135ではグリルなどをブラックアウトし、エアロパーツで武装。左右4本出しのテールパイプにリアバンパー下部はディフューザー形状とするなど、なかなか迫力満点だ。

フルモデルチェンジなので、よく見るとデザインはかなりブラッシュアップされている。
フルモデルチェンジなので、よく見るとデザインはかなりブラッシュアップされている。    田中秀宣

インテリアも12時の位置を赤くマーキングしたステアリングホイール、シートバックの『M』ロゴが光るスポーツシート、そしてダッシュボードにも『M』の3色ステッチが入るなど、好きな人にはたまらない。

そもそもがCセグメントのハッチバックだから、リアシートの広さも十分で、前席より座面が少し高くなって見晴らしも良いので、長時間乗車も苦にならないだろう。また、ラゲッジスペースは4WDながら380〜1200Lもある。ちなみにFFの120は300〜1135LとM135より少し狭いのだが、これはMHEVを採用している関係だという。

他のBMW車と同様、スイッチ式になったシフトレバーをDに入れて走り出す。まず感じたのは、ボディ剛性の高さ。実はM135を試乗する前日に、別の取材で最新のポルシェ 911カレラとメルセデスAMG CLE53 4マティックに乗る機会があったのだが、ボディのしっかり感はそんな2台のハイパフォーマンスモデルに近いものだった。

市街地や高速道路では4WDを意識させることはないが、それでも高速での直進性や安定性は高い。エンジン回転数は、7速の80km/hで約1500rpm、100km/hで約2000rpmといったところ。ここからジワッとアクセルペダルを踏み込めば、間髪入れずに加速する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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