【さすがはMスポーツ】BMW M135xドライブは永く付き合いたいホットハッチ!

公開 : 2024.12.26 07:05

バランスの良さはさすがMスポーツ

どんなシチュエーションでも、アクセルレスポンスの良さは、2Lターボではなく車名の由来である3.5L自然吸気エンジンでも搭載しているかのよう。市街地でも、緩い上り坂でパーシャルスロットルから少しだけ右足に力を入れるとスーッと淀みなく加速する。自分の思ったように加減速してくるのは、やはり楽しい。

試乗車はオプションの235/40R19タイヤを履いており、締め上げられた足まわりも相まって路面の悪いところではそれなりに突き上げもあるが、それでも収束力は高い。

最高出力300ps、最大トルク400Nmを発揮する2リッター直4ターボを搭載。
最高出力300ps、最大トルク400Nmを発揮する2リッター直4ターボを搭載。    田中秀宣

BMWらしいエンジン音を楽しみながら、太めのステアリングホイールを握り、ワインディングロードを走ると、ハンドリングとxドライブによる4WDのバランスの良さに感心する。アクセルと同様にステアリングのレスポンスも良く、前輪だけでなく後輪も稼働してコーナーを抜けていく、そんな感覚が味わえる。

今回、3日間で約320km(高速道路と一般道路の比率は約3:1)を走り、平均燃費計は13.5km/Lを記録した。高速道路での走行が多かったとはいえ、年末の渋滞に何度もハマったし、もちろんエアコンは入れっぱなしでエコランもしていない。それでWLTCモードの12.5km/Lより良い燃費を達成したのだからたいしたもの。なお、アイドリングストップ機能は頻繁に作動していた。

大人4人で快適に長距離移動も可能で、その気になればスポーツカー的なパフォーマンスも発揮するM135。ただし、その車両価格は698万円と、エンジンスペックや駆動方式が違うとはいえ、320i Mスポーツ(690万円)や420iクーペ Mスポーツ(694万円)より高い。

もっとも、ほぼ同スペック(306ps/400Nm)のメルセデスAMG A35 4マティックが758万円、アウディ A3スポーツバック(310ps/400Nm)が681万円だから、法外に高いとはいえないだろう。

予算的に問題はないけれど、大きいクルマは要らない、コンパクトなクルマでパフォーマンスを引き出して走るのが好き、という方なら、内外観は派手すぎず安全&快適装備も十分に充実しており、永く付き合えそうなM135は格好のアイテムになるに違いない。

経済的な問題はさておき、自分とクルマの付き合い方を考えると、久しぶりに「欲しいな!」と思わせてくれた1台だった。

SPEC:BMW M135 xドライブ

●全長×全幅×全高:4370×1800×1450mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1998cc
●最高出力:221kW(300ps)/5750rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/2000-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料/タンク容量:プレミアム/49L
●WLTCモード燃費:12.5km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格:698万円

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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