【世界を震撼させた熱狂の歴史】三菱ランサーエボリューション10世代11車種を全網羅!
公開 : 2024.12.26 11:45
1992年に初代が登場し大反響となった三菱ランサーエボリューションは、10代目まで続く大人気モデルとなりました。ここでは、フルローンを組んで初代と2代目を新車で購入したことがある木原寛明が、全モデルを振り返ります。
もくじ
ー初代は初めて(フルローンで)買った新車
ー三菱ランサーエボリューションI(1992年)
ー三菱ランサーエボリューションII(1994年)
ー三菱ランサーエボリューションIII(1995年)
ー三菱ランサーエボリューションIV(1996年)
ー三菱ランサーエボリューションV(1998年)
ー三菱ランサーエボリューションVI(1999年)
ー三菱ランサーエボリューションVIトミ・マキネン・エディション(2000年)
ー三菱ランサーエボリューションVII(2001年)
ー三菱ランサーエボリューションVIII(2003年)
ー三菱ランサーエボリューションIX(2005年)
ー三菱ランサーエボリューションX(2007年)
初代は初めて(フルローンで)買った新車
今や中古車価格も高騰して気楽に手に入れることは出来なくなったが、筆者が自動車媒体の編集者になって初めて(フルローンで)買った新車が、『三菱ランサーエボリューションI』、そして2台目が翌年の『ランサーエボリューションII』である。
当時は「こんな派手で速いクルマで一般公道を走っていいのか!?」と不安になったほどインパクトは強烈。その後はありがたいことに仕事で全モデルに試乗できたが、『ランエボIX MR』の切れ味鋭い走りも印象的だった。ここではエボIからエボXまで、ランエボの進化の過程を振り返ってみることにした。
ランエボことランサーエボリューションは、世界的なラリーへ積極的に参戦していた三菱が、ラリーマシンのホモロゲーションモデルとして1992年に発売。以降、ラリー参戦終了後も進化を続け、本流モデルが10代目まで続いたほか、派生モデルも登場する人気銘柄となった。
今や欧州を中心に、400ps級モデルも存在する2.0Lターボ4WDカテゴリーだが、かつては日本車の牙城であり、その先鞭をつけたのがランエボであることは間違いない。量販実用車をベースに、メーカー自ら競技にも耐えるようチューニングした車両を『エボモデル』などと呼ぶようになったのも、ランエボに由来するところが大きいだろう。
ランエボの核心的な技術要素といえば、ひとつは電子制御を駆使した4WDシステム、もうひとつが4G63型1997cc直4エンジンだ。4G63は1979年、東京モーターショーに参考出品された『ランサーEXラリーターボ』に搭載されたG63Bとして登場。その後、スポーツモデルから実用車まで幅広く搭載されたが、頑丈なスチールブロックは1980〜90年代の技術でも300ps級のチューニングを可能にした。
ランエボ用ユニットは250psでスタートし、ランエボIVで当時の自主規制値である280psに到達している。ただしランエボXでは、ダイムラー・クライスラーなどと共同開発したワールドエンジンのバリエーションである4B11型へ変更された。
三菱の技術の粋を集め、世界的に日本車の優秀さを示したランエボ。それではモデルごとに、その歴史を振り返ってみよう。
三菱ランサーエボリューションI(1992年)
1992年9月、初代ランエボが発売された。ランサーEX以来、6年ぶりにWRCへ投入されたランサーは、改造範囲の狭いグループAを戦うべく、1.8Lまでしか設定のないベース車に、5シーズンを戦ったギャランVR-4譲りの4G63ユニットと4WDシステムを移植。
そのためベース車とは、フロントバルクヘッドより前方がほぼ変更されている。街乗り向けのGSRと競技ベースのRSが設定され、スペックは250ps/31.5kg-m。当初は型式認定に必要な2500台の限定販売を予定していたが、人気の高さを受け販売台数は7628台に達した。