【世界を震撼させた熱狂の歴史】三菱ランサーエボリューション10世代11車種を全網羅!

公開 : 2024.12.26 11:45

三菱ランサーエボリューションII(1994年)

1994年1月、改良モデルのエボIIが登場。10psアップしたほか、初代の弱点克服のために大幅に改修された。シャシーはメンバーの交換や鍛造アームの導入、ホイールベース延長やトレッド拡幅、タイヤサイズ変更を実施。駆動系はトランスミッションの1〜2速のギア比を下げ、リアに機械式LSDを採用した。外観では、フロントエアダムエクステンションと、リアスポイラー基部のウィッカーと呼ばれる小型スポイラーが追加されている。

三菱ランサーエボリューションII(1994年)
三菱ランサーエボリューションII(1994年)    三菱自動車

三菱ランサーエボリューションIII(1995年)

1995年1月に発売されたエボIIIは、エクステリアを大幅に変更。大開口のフロントバンパーやブレーキダクト付きエアダム、車名を型押ししたサイドスポイラー、ウイングタイプのリアスポイラーなどを装着し、冷却性能と空力性能の向上を図った。エンジンは圧縮比をアップし、ターボラグ緩和のための2次エア供給システムを採用。270psを発生する。1996年にはエボIIIで、トミ・マキネンが初のWRCドライバーズ王者に輝いた。

三菱ランサーエボリューションIII(1995年)
三菱ランサーエボリューションIII(1995年)    三菱自動車

三菱ランサーエボリューションIV(1996年)

ベース車が全面刷新し、1996年8月登場のIVでランエボは第2世代に入った。エンジンは搭載方向を180度反転し、トランスミッションのインターミディエイトギアを廃して高効率化。最高出力280ps、最大トルク36.0 kg-mに達した。GSRには、アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)と呼ばれる電子制御デフを採用。後輪左右の駆動力配分を調整し、旋回性能を高める。ランエボのハイテク化の端緒となったモデルだ。

三菱ランサーエボリューションIV(1996年)
三菱ランサーエボリューションIV(1996年)    三菱自動車

三菱ランサーエボリューションV(1998年)

3ナンバー化され、17インチホイールや大径ブレーキ、フロント倒立ダンパーが装備されたランエボVは、1998年1月デビュー。エンジンは、タービンの改良やブースト圧アップ、ECUの16ビット化を行い、トルクを38.0 kg-mに引き上げた。外観は、前後ライトがランサー後期型のものとなり、開口部を拡大したフロントバンパーや新形状のボンネット、角度調整式リアスポイラーを採用している。

三菱ランサーエボリューションV(1998年)
三菱ランサーエボリューションV(1998年)    三菱自動車

三菱ランサーエボリューションVI(1999年)

1999年1月、ランエボVIが登場。新形状のフロントバンパーは、フォグライトの小型化やナンバープレートの助手席側へのオフセットで開口面積を拡大。エンジン出力に変化はないが、冷却性能の向上で耐久性を高めた。リアスポイラーは、2段ウイング形状とした。足まわりは、先代よりややソフトになったが、RSでは先代同様のハードタイプが選択できた。また、軽量なチタンアルミ合金タービンが、RSに採用されている。

三菱ランサーエボリューションVI(1999年)
三菱ランサーエボリューションVI(1999年)    三菱自動車

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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