【噂が早くも現実に】ホンダ、日産、三菱が経営統合に向けた協議開始

公開 : 2024.12.24 07:05

まずは7領域で検討し、さらに領域が広がる可能性も

3つ目が、生産体制・拠点の最適化だ。

この点については、前述のように車両プラットフォームの最適化との関係が深い。

日産、ホンダの統合で、三菱が果たす役目は? そして日産と提携するルノーはどう出るか注目だろう。
日産ホンダの統合で、三菱が果たす役目は? そして日産と提携するルノーはどう出るか注目だろう。    本田技研工業

4つ目が、購買機能の統合によるサプライチェーン全体での競争力強化だ。

ようするに、自動車メーカーを頂点とし、ティア1、ティア2、ティア3といった部品メーカーを従える自動車産業のピラミッド構造にメスを入れることになる。結果的に、部品メーカーの統廃合が加速することが考えられる。

5つ目は、業務効率化によるコストシナジーの実現だ。

つまり、デスクワークにおいても業務関連システムを統合することになる。

6つ目は、販売金融機能の統合に伴うスケールメリットの獲得だ。

発表によれば、両社の自動車ユーザーに対して、自動車のライフサイクルを通じた新たな金融サービスなど、モビリティの多様な利用形態の提供を目指す、としている。

そして7つ目が、知能化・電動化に向けた人材基盤の確立だ。

高度化する次世代自動車の研究開発において、人材交流や技術交流を深める。

以上のように、7つの領域を見る限り、確かに経営統合を象徴する内容であることが分かる。ただし、あくまでもこれは経営統合に向けた協議のたたき台であって、経営統合後の連携分野がさらに広がる可能性も十分にある。

いずれにしても、共同持株会社設立後の、ブランドとしての「ホンダと日産は残る」としている。果たして、ホンダと日産の経営統合は上梓するのか? そこに三菱も参画できるのか? 今後の動向を注視していきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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