これを超える存在ナシ? トヨタGRヤリス UK中古車ガイド 弱点を忘れさせる充足感!
公開 : 2025.01.06 19:05
弱点を忘れさせる充足感 迷う必要ナシ?
フェイスリフト前の英国仕様には、2種類があった。コンビニエンス・パッケージでは、18インチ・アルミホイールに街乗り向きのサスペンションを装備し、JBL社製オーディオで快適製を重視。ボディカラーは、レッドとブラック、ホワイトから選択できた。
サーキット・パッケージでは、ハードなフロント・サスペンションとアンチロールバーを獲得。軽量な18インチ・アルミホイールと、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤが組まれ、閉ざされたコースだけでなく公道での戦闘力も磨かれている。
GRヤリスに弱点がないわけではない。特に、後方の視界は褒めにくい。リアシートの広さは子ども向き。車内の遮音性も高いとはいえず、燃費は丁寧に運転しても10.0km/Lを超えれば良い方。それでも、それらを忘れさせる充足感で応えてくれる。
アップデート後のGRヤリスは、英国では4万4250ポンド(約863万円)からという高額になってしまった。これと比べると、初期型の中古車のお買い得感はかなりのもの。好バランスなモダン・ホットハッチをお探しなら、迷う必要はないのではないだろうか。
新車時代のAUTOCARの評価は?
アクセルペダルを踏み込めば、恐ろしいほど速い。低速域での一体感は、もう少し高くても良いかもしれないが、ヒーロー級といえるドライバーズカーだ。
すこぶる楽しく、価格はお手頃。こんな最高のクルマを作れるメーカーは他にない。味わっておく価値がある。(2021年3月3日)
オーナーの意見を聞いてみる
ネイサン・ビークロフト氏
「GRヤリスで最初に驚いたことは、運転のしやすさ。シートは座り心地が良くて、基本的に快適なクルマです。アダプティブ・クルーズコントロールも、自分が乗ってきた中では最も有能だと思います」
「燃費は、一般道が中心で10.5km/Lくらい。高速道路を長距離走らせれば、14.5km/Lくらいには届きます。改造車には注意した方が良いでしょうね。チューニングパーツのブランドや、取り付け状態も確かめておく価値はあると思います」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
1.6L 3気筒ターボエンジンは、ブースト圧が上昇しなくなることがある。ブーストセンサーとソレノイドの交換で、解決することが多い。しっかりエンジンを温めて、滑らかにパワーが発生するか試乗で確かめたい。
チューニングされている場合は、その内容を確認したい。部品のブランドや、保証状態も可能な限り調べたい。
トランスミッション
初期の6速マニュアルは、1速から2速、2速から3速へのシフトアップが滑らかでない場合がある。充分に温まらない状態で、積極的に変速され続けてきた結果といえ、内部が傷んでいる可能性がある。ディーラーでのリビルドが、唯一の解決策だろう。
インテリア
サーキット・パッケージのノーマルスピーカーは音が悪い。多くのオーナーは、フォーカル社製など社外品に交換している。ドアの内側へデッドニング材を貼ることで、音質は改善できる。
内装は傷が付きやすい。フロントピラーとダッシュボード、グローブボックス、ドアパネルなどは、走行時にガタガタ音を出しがち。
ボディ
フロントバンパーとボンネット、リアフェンダーなどは飛び石による傷が付きやすい。保護フィルムを張るのも一手といえる。フロントガラスも飛び石傷をもらいがち。
プラスティック製のフロントグリルは割れがち。その奥にあるインタークーラーが破損すると、更に高額な修理になる。基本的に部品は通常のヤリスと異なるため、費用を安く抑えることは難しい。