英国流「華やかさ」をプラス! ランドローバー・ディスカバリー 4  UK中古車ガイド 多能さで魅了

公開 : 2025.01.10 19:05

本格的な悪路性能に、上質さが加えられたディスカバリー 4 基本的には3の大々的なフェイスリフト版 オンロードでもマナー良好 ライバルを凌駕する多能さ 英編集部が魅力を再確認

ディスカバリー 3の大々的なフェイスリフト版

先代よりスタイリッシュな見た目が与えられた、ランドローバー・ディスカバリー 4。現在選べる中古のオフローダーの中では、コストパフォーマンスに長けた1台だと思う。実用性と走破性を兼ね備え、英国では3000ポンド(約59万円)から探せる。

2009年に発売されているが、実のところ、充分な成功を収めたディスカバリー 3の進化版といえた。大々的なフェイスリフト仕様といっても、過言ではない。だが、新世代を名乗るべく能力が磨かれ、インテリアの訴求力も高められている。

ランドローバー・ディスカバリー 4(2009〜2016年/英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー 4(2009〜2016年/英国仕様)

インテグレーテッド・ボディ・フレーム(IBF)と呼ばれたシャシーは、先代譲り。英国仕様では、エンジンは2.7L V6ディーゼルが当初設定されたが、245psの3.0L V6へすぐに置き換えられた。

2011年には、最高出力が258psへ上昇。同時に、6速ATは高効率な8速ATへ置換されている。それでも燃費は伸びにくく、現実的にはディーゼルでも平均12.0km/L走れれば良い方だ。

メカニズムやソフトウエアのアップデートで、悪路性能を引き上げつつ、舗装路でのマナーも大幅に改善されていた。新しいアンチロールバーとサスペンション・ナックルが与えられ、テレインレスポンス/ヒルディセント・システムも更新されている。

ホイールベースが伸ばされ、全高も高いが、操縦性のまとまりはディスカバリー 3以上。敏捷性では同時期のBMW X5に及ばなかったものの、車重は140kgも軽くなり、ボディサイズを考えれば唸るほどエネルギッシュに走ってくれる。

華やかな雰囲気 ライバルを凌駕する多能さ

スタイリングは、ディスカバリーらしくスクエア。ジェリー・マクガバン氏とアンディ・ホイール氏のペアにより、当時のレンジローバーへ影響を受けた華やかな雰囲気が醸し出されている。

初代ディスカバリーを支持するような人からは、イブニングドレスを着たオフローダーだと揶揄されることもあった。しかしボディと同色のバンパーや、ヘッドライトの造形が、少なくない人を惹き付けたことは間違いない。

ランドローバー・ディスカバリー 4(2009〜2016年/英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー 4(2009〜2016年/英国仕様)

2014年にフェイスリフト。新しいフロントバンパーとLEDヘッドライトを獲得し、ボンネットのロゴがランドローバーからディスカバリーへ変更されている。渡河水深センサーやメリディアン社製オーディオも、オプションで設定された。

インテリアも、レンジローバーへ接近。上質な内装素材とタッチモニターが与えられ、プレミアムな空間に仕上がっている。実際に押せるハードボタンが多数残され、ディスカバリー 3へ通じる使い勝手も受け継いでいる。

最大牽引重量は3.5tまで。アウトドア・ギアを積んだ重いトレーラーも、難なく引っ張ってくれるだろう。

ディスカバリー 4の多能ぶりは、ライバルを間違いなく凌駕する。運転しやすく上質で、オフロードでもオンロードでも素晴らしい走りを披露してくれる。維持費は他より多くかかるかもしれないが、それに理解を示せるなら、満足度は高いのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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