英国編集部が選ぶ「同僚にプレゼントしたいクルマ」とは? シークレット・サンタやってみた

公開 : 2024.12.26 19:25

「あの人に贈るなら、どのクルマがいいだろう?」……クルマにうるさいAUTOCAR英国編集部の記者たちが、同僚にプレゼントしたいと思うクルマを選んだ。

クルマにうるさい「あの人」に贈るなら…

「シークレット・サンタ」は、プレゼントの贈り主が誰なのかを当てるゲームだ。素敵な遊びだが、うまくいかないことがしばしばある。通常は経費削減策として職場で行われるもので、結局はあまり親しくない誰かのためにプレゼントを購入することになる。

しかし、今年のクリスマスで、AUTOCAR英国編集部は少しひねりを加えたシークレット・サンタを実施した。ロードテスト(試乗)の精鋭チームに無制限の資金を与え、誰かの夢のクルマを「購入」してもらったのだ。

英国編集部の記者たちの「夢のクルマ」とは……?
英国編集部の記者たちの「夢のクルマ」とは……?    AUTOCAR

その結果は? もちろんスーパーカーもあれば、安価なEV、レストアモデル、さらには商用車もリストに名を連ねた。なぜ、このクルマを選んだのか。どんなところが気に入っているのか。記者や編集部員同士のやりとりを、会話形式でお届けする。

フェラーリ・ローマ

マーク・ティショー(以下、MT):駐車場にフェラーリが停めてあるけど、あれをプレゼントしたくなるほど好きな人っているかな? みんな自分で欲しがると思うけど……。

マット・プライヤー(以下、MP):クリスマスなんだよ。クリスマスに誰かに何かをプレゼントするなら、予算は気にせず、フェラーリをプレゼントするのがいいんじゃないか? それに、クリスマスらしい赤だし。

フェラーリ・ローマ
フェラーリ・ローマ    AUTOCAR

その1、フォルムが素晴らしい。その2、リチャードがとても気に入っている。この2点から、リチャードにぴったりなクルマだと思った。最高のクリスマスプレゼントじゃないか? 史上最高の?

スティーブ・クロプリー(以下、SC):フェラーリをプレゼントされたのは初めてかい?

リチャード・レーン(以下、RL):残念ながら、初めてですよ……。でも、なんて素晴らしい贈り物だろう。本当に、ローマはフェラーリが製造するクルマの中で、最も完成度が高いだけでなく、おそらく最高のクルマだと言えると思う。

クーペからスパイダーへ切り替わる際、シャシーは少し改良されている。ブレーキの利きはめちゃくちゃ敏感なわけではなく、ステアリングは少し控えめだ。全体的に自然に運転しやすく、もともと直感的なクーペをさらに上回る。

過小評価されているよ。812の影に隠れているけど、それは両方のクルマを運転したことのない人の頭の中だけだ。V12車にはできないことをやってのける。少なくとも、常識的な速度では簡単にできることではない。

今走ってきた道で、3速にシフトダウンしてコーナーを曲がり、スロットルをほとんど感知できないほどわずかに開けると、車体がぐっと安定するような場所があった。

アストン マーティンヴァンテージに比べて、そのレベルの技巧と精度が段違いだ。それに、とても美しいクルマだ。

MT:それなのに、なぜ過小評価されていると言うんだい? みんな大好きだ。

RL:誰もあまり話題しないんだ。華々しいものではないし、見出しを飾るようなものでもない。 ローマの真価を理解するには、実際にローマに乗り込んで時間を過ごす必要があると思う。 あまり細かいことを言わないようにするけど、スムーズかつ正確に運転する方法を知っておく必要がある。

ギアをほとんどトップに入れたまま、7.5か8割くらいで流して、シャシーの動きに注意深く耳を傾けると……本当に素晴らしい。時代を象徴するものだよ。

マット・ソーンダース(以下、MS):ポルシェケイマン症候群にかかっているのかもしれない。あるいは、フェラーリ360モデナのように、そういったブランドのジュニアカーを見落とす前例がある。

SC:その通りだと思う。最も過激なフェラーリではないという点で、そのフォーマットに当てはまる。たぶん、クラスでトップに立つことはないだろう。特にスパイダーは素晴らしいと思う。サイドビューが大好きだ。美しい。

RL:コンパクトなプロポーションで、美しくバランスが取れており、日常的に使用でき、スポーツカーでもある。フェラーリは、何らかの形でこの形式を維持していくべきだ。

フェラーリ・ローマ

マット・プライヤーからリチャード・レーンへ
価格:21万848ポンド(約4150万円)
試乗車価格:32万3799ポンド(約6365万円)
最高出力:620ps

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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