英国編集部が選ぶ「同僚にプレゼントしたいクルマ」とは? シークレット・サンタやってみた

公開 : 2024.12.26 19:25

フロントラインMGB

MT:維持していくといえば……誰があのMGを持ってきた? あれは何?

RL:僕が持ってきた。フロントラインという会社のMGBだ。今朝、ここからすぐ近くのアビンドンでマット・ソーンダースのために受け取ったんだ。

フロントラインMGB(左)
フロントラインMGB(左)    AUTOCAR

少々長くなるけど、このクルマは、僕たちのロードテスト担当編集者のすべてを体現していると思う。ゆったりとしたレザーとメタルの伝統が息づいていて、それでいて、ハードに走らせて良い道を攻めたいと思わせるスポーツカーなんだ。このクルマを、男の守護神だと思ってほしい。

MS:まだ試乗していない。最後に運転したフロントラインMGはEVだったから、当然ながらエンジンは搭載されていなかった。このクルマでエンジンはどれほど重要なんだろう?

RL:とても大きいよ。エンジンは最高だ。2.5Lのフォードのデュラテックだけど、完全にオーバーホールされている。最高出力は290psで、どこまでも回り続ける。

他の部分も見事なまでにアナログで、ABSさえ搭載されていないんだ。運転する際には、よくよく注意しないといけない。それでいて、まったく扱いにくいというわけでもない。

ミッションはMX-5(日本名:ロードスター)のものを搭載していて、可変パワーステアリングも付いているから、駐車場での取り回しも楽々だ。使いやすさと素朴さが絶妙にブレンドされている。本当に快適だよ。

SC:ボディの形状は何も手を加えていないよね? ホイールもいい感じ。

RL:忠実さという点では、リアにライブアクスルを残しているのも、オリジナルのMGBらしく感じる理由の1つだ。

ピックアップポイントを変え、すべてを取り外して新しいものを設計すれば、かなり簡単だっただろう。でも、フロントラインはそうしなかった。このあたりの道路はロードテストには厳しいけれど、ハンドリングと乗り心地は良かったね。

MS:その位置づけが気になるところだ。彼らはエレクトロモッドを作ろうとしていたわけではないけど、あまりにも多くの需要があって、作らざるを得なかった。人々がずっとそれを求めていたから。だけど、僕は、すべての回転域で290psを発揮する4気筒のMGを望む人がまだたくさんいると信じたい。

フロントラインMGB

リチャード・レーンからマット・サンダースへ
価格:14万ポンド(約2760万円、概算)
試乗車価格:14万ポンド(概算)
最高出力:290ps

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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