「訳あり」だけど中古で安く買える高性能車 10選 マニアックなモダンクラシック

公開 : 2024.12.29 18:05

高性能モデルが低予算で手に入る? 価格が高騰する前に買っておきたい、「モダンクラシック」を10台紹介する。ただし、燃費が悪い、信頼性が低い、操作のクセが強いなど、「訳あり」なので玄人向けかも。

「モダンクラシック」の定義って?

「モダンクラシック」という言葉には矛盾があるかもしれない。それに、クルマに詳しくない人にとっては、特に珍しくもない、ありふれた1台だと誤解されるかもしれない。

しかし今、電動化、環境規制、安全規制などが、クルマ愛好家たちをモダンクラシックカーへと追い立てている。

さまざまな理由から「比較的お手頃」に買える中古車を10台紹介する。
さまざまな理由から「比較的お手頃」に買える中古車を10台紹介する。

ロンドンを拠点とするオンライン自動車コミュニティ、ピストンヘッズ(Pistonheads)の創設者で、自動車メディア界に大きな影響を与えたとも言われるデイブ・エドモントン氏は、モダンクラシックカーという言葉を次のように完璧に要約している。

「希少性、ノスタルジア、そして比較的手頃な価格がすべてひとまとまりに? 何か裏があるのでは?」

真面目な話、どのあたりの年代がモダンクラシックに該当するかはあえて曖昧にされている。

オンラインオークションプラットフォーム、コレクティング・カーズ(Collecting Cars)のエド・キャロウ氏は次のように語っている。

「モダンクラシックカーは本質的に、民主化されたコレクターズカー市場だと思います。モダンクラシックの時代を特定の年式で明確に定義するのは容易ではありませんが、一般的に言われるのは、1980年代、1990年代、そして2000年代の初期に製造されたクルマ、つまり、近代的なデザインと構造を持つクルマです」

この記事では、2000年以降のクルマに限定して、価格が高騰する前に手に入れておきたい10台のモダンクラシックカーを紹介する。価格や装備については英国仕様に準じる。

1. ポルシェケイマン

長所:最高のハンドリング 個性的なエンジン コストパフォーマンスが素晴らしい
短所:実用的ではない 整備費が高い ATのシフトボタンが煩わしい
価格帯:7000~3万ポンド(約140~600万円)

ポルシェ・ケイマンは多くの愛好家の「欲しいものリスト」に載っているが、それには十分な理由がある。ケイマンは、エンジンが合理的な位置に搭載された現代的な水平対向6気筒のポルシェであり、同年代の911では真似できないような自由を楽しむことができる。

1. ポルシェ・ケイマン
1. ポルシェ・ケイマン

精密な6速マニュアル・トランスミッションは、特にペダルが適切に重み付けされているため、アナログな運転体験の喜びを存分に味わわせてくれる。そして、機敏で方向転換も素早く、重要な点として一般的なドライバーでも運転しやすい。

確かに、2009年のフェイスリフトで追加されたPDKオートマチックは、超高速シフトによりエンジンの潜在能力を最大限に引き出すことができるかもしれないが、ステアリングホイールの表面に配置された憎たらしいほど小さなシフトボタンと付き合わなければならない。

初期型のATのケイマンを選んだ場合は、動きの遅いティプトロニックS、つまり旧式のトルクコンバーター式5速ギアに我慢を強いられる。これは避けた方が良いだろう。

3.4L、最高出力295psのS(エンジンは911カレラから派生)が発売されたが、その後すぐに、より手頃な価格の2.7L、245psのエンジンが導入された。2009年からは、2.7Lは最高出力265psの新2.9Lに置き換えられ、3.4Lは320psにパワーアップされた。

3.4Lエンジンはコストパフォーマンスに優れているが、ボア・スコアリング(bore scoring)の問題があり、修理にはびっくりするほどの費用がかかる。購入前または購入後すぐに、専門家に依頼してシリンダーの内部検査を行い、不具合の有無を確認することが望ましい。

ただ、総合的なコストパフォーマンスは悪くない。ケイマンのサービススケジュールは2年/2万マイル(約3.2万km)となっているが、専門家は年1回の点検を推奨している。新しいブレーキディスクとパッドの費用は、概ね2300ポンド(約45万円)程度だ。

実質的には、ポルシェ・ボクスターのクーペバージョンであり、発売当初はSはボクスターよりも約5000ポンド(約100万円)高かった。以前は中古車にもその価格差が反映されていたが、今ではほぼ同等になりつつある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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