出口まだ…? 世界最長の道路トンネル 10選 巨大な地下建設プロジェクト
公開 : 2025.01.01 18:05
秦嶺天台山トンネル(中国) – 15.56km
秦嶺天台山トンネルの建設には27.5億人民元(約590億円)の費用がかかったが、これは道路トンネルの世界では破格の安さである。2016年に着工し、2021年に完成するなど、工期の面でもまた記録的な早さを見せた。
標高の高さや、中国北西部の陝西省の厳しい寒さを考慮すると、なおさら驚異的である。
2016年11月に建設工事が始まったとき、秦嶺山脈の地下で交代勤務に当たる作業員は2000人に上った。彼らは建設作業の間、現場で生活していた。
秦嶺天台山トンネルの建設の一環として、自然光を再現するスマート照明システムが開発された。3車線のトンネル内を通行するドライバーが飽きないように、トンネルの壁にさまざまな光のパターンやデザインを映し出すものだ。
ゴッタルド道路トンネル(スイス) – 16.84km
かつては世界最長の道路トンネルであったスイスのゴッタルド基底トンネル。その座は他に譲ったが、1980年に開通しており、今回紹介するトンネルの中では最も長い運用期間を誇る。
ゴッタルド道路トンネルの建設は1970年に開始され、最も標高が高い地点で1175mに達する。
制限速度80km/hが厳格に適用されているため、ゴッタルド道路トンネルの通過には約13分かかる。トンネル利用には通行料がかかるが、1日あたり最大2万4000台の車両をさばくことができる。
比較的珍しいことに、ゴッタルド基底トンネルは1本のチューブで双方向の交通を処理している。2016年、国民投票でスイス国民の57%が2本目のゴッタルド道路トンネルの建設に賛成票を投じた。
錦屏山トンネル(中国) – 17.54km
トップ10にランクインした他の道路トンネルはすべて一般に開放されているが、錦屏山トンネルは通行できる車両が制限されている。これは、世界で最も高いアーチ式ダムである錦屏ダムへの通行、および錦屏ダムと別の水力発電ダム間のアクセスを確保するためのトンネルだからだ。
錦屏山トンネルは地質が活発なことで知られる中国南西部を通っており、それもアクセスが制限されている理由の1つである。また、ダムの水力発電複合施設周辺の安全上の理由もある。
最深部では地表から2375m地下に掘られており、トンネル全長の半分以上が1500m以上の深さにある。
錦屏山トンネルの建設には5年を要した。両側から同時に掘り始め、途中で合流させる工法としては当時最長を誇った。総工費は13億人民元(約280億円)。