EV歴13年の日産リーフ・オーナーが試乗!(前編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#2】

公開 : 2024.12.30 11:45  更新 : 2024.12.30 13:18

編集部ではアイオニック5に続き、同じヒョンデのコナを長期レポート車に導入しています。今回は年末特別編として、日産リーフを3台乗り継いでいる小林薫氏による試乗記を、2回に分けてお届けします。

長期レポートとして導入しているコナに試乗

執筆/撮影:Kaoru Kobayashi(小林薫)

BYDドルフィンボルボEX30などに続いて、AUTOCAR JAPAN編集部が長期レポートとして導入しているヒョンデ・コナに試乗しました。どれもコンパクトEVのクラスであり、3台目となる7年乗っている日産リーフZE1型40kWhの後継EVの候補です。

コナの基本性能は、バッテリー容量64.8kWh、航続距離WLTCモード541kmで、リーフ40kWhの322kmより圧倒的に長く、なかなか魅力的な性能になっています。

富士五湖の河口湖畔にある旅の駅にて。
富士五湖の河口湖畔にある旅の駅にて。    小林薫

甲府から都内へは120〜140kmあり、今のリーフでは、一度の充電で往復することはできません。後継EVには、ある程度余裕を持って、真冬でも往復できることを期待しています。バッテリー残量が減り、遠乗りの途中で充電するのはいろいろと大変で、バッテリー容量が増え追加充電なしで往復できるのは、想像以上の大きなメリットとなります。そこで、実際にコナで甲府から中央自動車道を走り、都内の青山へ行くことにしました。

自宅でバッテリー残量95%まで普通充電し、甲府南ICから中央自動車道に乗り、談合坂SAで休憩後、調布ICで下りて、一般道を走り、青山へ向かいました。途中、有料駐車場を利用しましたが、このコナの車幅は1825mmあるため1800mmを越える大型に分類され、利用できない駐車場がありました。コンパクトEVではあると思いますが注意が必要です。

青山のホテルに着いた時は、走行距離は135km、バッテリー残量64%、平均電費7.1km/kWhとなっていました。通常、甲府から都内へは標高差が200m以上あり電費は良く、帰りはその分悪くなります。

試乗により航続距離を推定する

翌日は、ホテル近くの首都高速4号新宿線の外苑ICから乗り、中央自動車道の談合坂の登り坂などでコナの性能を確認しながら、甲府へ戻りました。往復の総走行距離は255km、バッテリー残量35%、平均電費6.7km/kWhとなっており、これを元にした満充電の航続距離推定値は425kmでした。

エアコンをほとんど使わない走行のデータですが、約8割は電費の厳しい高速道路を、全てスポーツモードで電費を気にせず走っているので、WLTCモード541kmと比較すると厳しい数値にはなっています。

中央自動車道の談合坂SAにて。
中央自動車道の談合坂SAにて。    小林薫

しかし、真冬でも東京を心配なく往復できることは確認でき、リーフの後継EVとしては十分な結果でした。また、走行データからのバッテリー容量100%の計算値は63.4kWhとなります。

富士五湖の河口湖畔にある旅の駅を往復し、その走行データからコナで郊外の一般道を走行した時の航続距離も推定しました。自宅から旅の駅までは約30kmあり、御坂トンネルの山越えとなっています。甲府の標高は約250m、御坂トンネルは約1000mあるので、トンネルに向かってはかなりの登りなので力強いトルクが必要となり、下りは回生ブレーキが必須となります。

暖かい日でしたので、エアコンの使用はなく、全てレスポンスの良いスポーツモードで往復しました。その結果、自宅の出発時97%だったバッテリー残量は帰宅時85%、走行距離60km、平均電費7.6km/kWhになっており、満充電での航続距離の推定値は500kmとなります。なかなかいい結果で、コナの素晴らしさが確認できました。

記事に関わった人々

  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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