EV歴13年の日産リーフ・オーナーが試乗!(前編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#2】
公開 : 2024.12.30 11:45 更新 : 2024.12.30 13:18
パドルスイッチがあるのに驚き
コナの運転席に座って最初に感じたのは、運転席からの景色がたいへんオーソドックスであることでした。正面の計器類は分かりやすく、中央上のディスプレイは画面が大きくて見やすく、その下のエアコンなどのスイッチ類は使いやすいように思われました。ディスプレイの中に機能スイッチを設ける輸入車EVが多い中で、何か安心感があります。
また、電動の運転席にはメモリー機能があり、乗り降りに便利で、とても高級感がありました。それに、機能が驚くほど豊富なので取扱説明書が分厚く、試乗車でしたので、乗り出すまでに多くの時間を必要としました。
そのような盛沢山の機能の中で最も大きな特徴は、回生ブレーキを4段階で切換えて運転できることではないでしょうか。それもシフトレバーではなく、パドルスイッチによって行えるもので、手元で操作が可能です。EVの面白さは回生ブレーキと回生充電にあり、このバドルスイッチは、運転そのものを楽しむ快適なドライブには、とても魅力的な機能となります。多くの輸入車のコンパクトEVにはシフトレバーはなく、また、リーフでもB/Dモードだけなので、その機能を知った時はたいへん驚きました。
実際の試乗では、市街地の交差点、車間距離の調節、下り坂での速度調整などで面白く、有効に使えることを実感でき、その制動力も十分にあり、「素晴らしかった」の一言につきます。特に御坂トンネルからの下りでは、4段階ある回生ブレーキをいろいろと変え、フットブレーキは全く使わなかったのは快適そのものでした。
安心して運転できるクルマ
以前試乗した三菱のアウトランダーも回生ブレーキがパドルシフトの5段階になっており、運転がとても面白く、楽しかった記憶があります。また、リーフを街中の運転が中心となる日常生活で快適に楽しめてきているのは、シフトレバーによる回生ブレーキの操作によるものと言っても過言ではありません。ほとんどの輸入車EVにこのような機能がなぜないのか、不思議にもなります。それともヒョンデの機能設計が、特別優れているのかなとも思いました。
また、EVにとって駆動モーターのトルク値は重要で、登り道で速度が上がっても同じ静寂性のまま加速するさまは、まさにEVの真骨頂となります。コナのトルク値255Nmと最大出力150kWは、今の3台目リーフの320Nmと110kWと比較するとトルク値は少なく、車両重量は1770kgで260kgも重くなっています。
しかしながら実際に試乗してみると、上り坂での力強さに過不足はなく、リーフとの比較でもそん色はないと感じました。ただ、アクセルを強く踏んだ時の飛び出すような加速はありません。しかし、この方が日常の運転では安全性があり、安心して運転できるクルマだと考えられます。一方、高速道路では、その安定性とパワーが今のリーフより明らかに優れていると感じました。(後編につづく)