EV歴13年の日産リーフ・オーナーが試乗!(後編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#3】
公開 : 2024.12.30 12:05
編集部ではアイオニック5に続き、同じヒョンデのコナを長期レポート車に導入しています。今回は年末特別編として、日産リーフを3台乗り継いでいる小林薫氏による試乗記を、2回に分けてお届けします。
欲しい機能のV2Lが標準で装備
(前編からのつづき)ヒョンデ・コナの特徴のひとつに、V2L(ビークル・トゥ・ロード)の標準装備があります。これはクルマのバッテリーからの電気で100V13A程度の交流電力を供給するもので、アウトドアレジャーや自宅の停電時などに利用でき、EV所有では絶対に欲しい機能です。これがコナで標準装備になっているのを知った時は、とても嬉しい気分になりました。
BYDなどではオプションでありますが、リーフではこのようなV2Lはオプションでもありません。V2H(ビークル・トゥ・ホーム)はありますが、大きな設備となり、価格も安くはありません。そこで12Vバッテリーに接続して使用するインバーターを長期停電などに備えていますが、まだ確認試験でしか使用していません。この方法は自己責任での使用になりますので、十分注意して行う必要があり、コナならこのようなことは必要なくなります。
また、自宅の配電盤から駐車場にある充電ステーションへは、3線200Vのケーブルが約20m配線されていますが、それに加えて100Vのコードも通線してあります。これは、クルマからの100Vを家庭内の専用コンセントへ配電するもので、このような利用を見据えたものです。今回、これを当然使用してみましたが、特に問題はありませんでした。このような100Vの通線は、EV用の充電専用コンセントを、自宅にこれから設置する方にはお勧めです。
ちょっと残念な点、気になる点
ちょっと残念な点もありました。クルマの中のAV機器については、FM/AMラジオやスマホ連携での音楽視聴はでき、USBメモリに保存した動画を再生する機能もあります。ただ、地デジ放送やDVDの再生機能はなく、オプションでも付加することはできません。またHDMI端子もないので、外部装置などを接続することも難しいと思います。
地デジ放送は、今のリーフでは標準装備されており、充電待ちなどで重宝しているので、後継EVにはぜひ欲しい機能です。最近の輸入車EVは、ほとんどこのような仕様になっており、シニア層のユーザーの中には、購入にあたり不満点のひとつになる人もいそうです。
また、気になった点として、電動ステアリングが弱く、今のリーフに比べハンドル操作が重たかったことです。停車時もそれなりの重さがあり、走り出すとそれが一層重たくなり、長く運転していると肩がこる感じがしました。あえてこのような仕様にしているものと思われ、慣れの問題かもしれませんが、以前日産アリアに試乗した時も全く同じ印象があったのを思い出しました。