【高級車ならぬ高旧車が流行中】一時代を築いたトヨタ・セルシオと日産シーマは国産高級車の文化遺産!

公開 : 2024.12.31 11:45

初代トヨタ・セルシオ(1989~1994年)

1989年に登場したセルシオは、圧倒的な静粛性を誇る4.0Lエンジンと、快適性を極めた電子制御サスペンション、自発光式メーターなどの先進装備、そして高い品質を擁し、日本車の評価と、世界の高級車作りを変えるほどのクルマだった。1992年にはマイナーチェンジで、外観の変更ホイールサイズ拡大やブレーキ性能アップを実施している。

初代トヨタ・セルシオ(1989~1994年)
初代トヨタ・セルシオ(1989~1994年)    トヨタ自動車

2代目トヨタ・セルシオ(1994~2000年)

セルシオ初のフルモデルチェンジは1994年。プラットフォームを改良し、ホイールベース延長による居住性向上を果たしつつ大幅な軽量化を達成。エンジンやブレーキといったランニングギアの強化も図られた。当初は初代の面影が色濃い外観だったが、1997年のマイナーチェンジでフロントまわりを大幅に改修。同時に、ATが4速から5速へ変更された。

2代目トヨタ・セルシオ(1994~2000年)
2代目トヨタ・セルシオ(1994~2000年)    トヨタ自動車

3代目トヨタ・セルシオ(2000~2006年)

2000年登場の3代目セルシオは、プラットフォームを刷新し、エンジンも新開発の4.3Lに。全長は先代同様ながら、ホイールベースをさらに伸ばして居住性を高めたほか、空力性能や重量配分を改善して運動性能も向上した。110Lの大幅拡大で573Lとなったラゲッジ容量は、当時のクラス最大を誇った。2003年にはマイナーチェンジで外観を一新。ATは6速仕様が採用された。

3代目トヨタ・セルシオ(2000~2006年)
3代目トヨタ・セルシオ(2000~2006年)    トヨタ自動車

初代日産シーマ(1988~1991年)

1987年の東京モーターショーで披露された初代シーマ。セドリックシーマ/グロリアシーマを名乗り、セド/グロと共通プラットフォームながら、ボディは専用の3ナンバー仕様。エンジンは3.0LのV6で、200psの自然吸気と255psのターボを設定。エキゾチックな外観と力強い加速、超豪華な装備などで人々を魅了し、シーマをきっかけに高級車需要が拡大した社会現象は『シーマ現象』と呼ばれた。

初代日産シーマ(1988~1991年)
初代日産シーマ(1988~1991年)    日産自動車

2代目日産シーマ(1991~1997年)

2代目は車名からセド/グロの冠を外し、純粋にシーマとなる。スタイリングはキープコンセプトながら、ピラーレスハードトップからセンターピラーありのセダンへ転身。当初は4.1LのV8、1993年に3.0LのV6ターボを追加した。足まわりはエアサスに代わる油圧アクティブサスを設定。4WDの設定や国外販売はこの2代目でスタートした。

2代目日産シーマ(1991~1997年)
2代目日産シーマ(1991~1997年)    日産自動車

3代目日産シーマ(1996~2001年)

インフィニティQ45の兄弟車となった3代目シーマは、デザインテイストを刷新し、常識的な高級サルーンといった佇まいに。エンジンは従来のVG型から設計年次の新しいVQ型へ更新したV6ターボと、先代同様のV8を用意した。標準装備のサイドエアバッグや、1998年の前席アクティブヘッドレスト、1999年の自動ブレーキ機能を備える車間自動制御などは、日本初の装備だった。

3代目日産シーマ(1996~2001年)
3代目日産シーマ(1996~2001年)    日産自動車

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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