「ビースト」は3モーターで845ps テスラ・サイバートラックへ試乗 実は意外と乗りやすい?

公開 : 2025.01.07 19:05

ステンレス製の三角ボディが話題を集めるサイバートラック スペースX社由来のステンレス 見慣れた雰囲気のインテリア サイバービーストは3モーターで845ps 英編集部が北米で評価

写真以上に衝撃的なカタチ 質感は高い

三角定規と鉛筆だけでピックアップトラックを描いたら、テスラ・サイバートラックのようなカタチが生まれるかもしれない。イーロン・マスクのアイデアへ、誰も反対しなかったのだろう。斬新な姿のまま、アメリカのショールームへ並び始めた。

鋭角なエッジだらけだが、北米では合法的に販売が許可された。キャッチコピーには、どんな惑星でも走れると書かれている。殆どが液体と気体の、土星は無理だと思うが。

テスラ・サイバートラック・サイバービースト(北米仕様)
テスラ・サイバートラック・サイバービースト(北米仕様)

イーロン・マスクは宇宙人だ、という説もある。彼の故郷では、これがフォードF-150のような存在なのかもしれない。

冗談はこのくらいにして、凄いカタチのサイバートラックの走りが、筆者は以前から気になっていた。英国や欧州では、衝突安全性を理由に販売が許されていない。しかし、大西洋の向こうでは既に公道を走っている。

実際の見た目は、写真以上に衝撃的。筆者は最後まで馴染めなかった。ボディは隅々まで平面的で直線的。角が尖り、似たモデルが思い浮かばない。タイヤが付いていて、窓ガラスがあるから、クルマだと思える感じ。

見慣れないモノへ否定的な気持ちを抱くことは、珍しいことではない。しかし近寄ってみると、その独自性と質感の高さには唸ってしまう。

品質の不備を指摘した動画などをネットで目にするが、少なくとも試乗車の仕上がりは良い。ちなみに今回の1台はテスラの広報車ではなく、とある協力者からお借りした、通常の量産仕様だ。

スペースX由来のステンレス 見慣れた雰囲気の車内

ステンレス製のボディパネルは、折り目などを境に分かれている。これは、意図的なデザインとのこと。ステンレス材は、イーロンが経営するスペースX社が採用している素材の派生版で、塗装仕上げの一般的なボディより耐久性は高いという。

ガラスは、112km/hで飛んでくる野球ボールが当たっても割れないとか。あいにく、今回は野球ボールを持っておらず試せなかった。フロントガラスは驚くほど巨大。シングルワイパーの長さは、150cm以上ある。

テスラ・サイバートラック・サイバービースト(北米仕様)
テスラ・サイバートラック・サイバービースト(北米仕様)

ドアハンドルはなく、センターピラーへカードキーをかざすとドアが開く。姿を表すインテリアは宇宙船のよう、ではなく、意外にも見慣れた雰囲気。テスラらしくミニマリスティックで、18.5インチのタッチモニターがダッシュボード中央に鎮座する。

ステアリングホイールは四角く、機械的に繋がっていない、バイワイヤ制御。車内には殆どボタン類がなく、ドライブやリバースを選ぶのも、タッチモニターを介して行う。ただし、クラクションのボタンは一般的な場所にある。

リアシート用に、センターコンソール後端には9.4インチのモニター。エアコンの操作や、ネットフリックスの鑑賞などができる。ドアパネルには、大きなポケットがある。

内装は、カーペットで覆われたダッシュボードの奥側以外、全体的に上質。センタートンネルがなく、大面積のパノラミックガラスルーフのおかげで、車内は開放的だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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