革命的「4座+4WD」のワゴン! フェラーリFF  UK中古車ガイド 複雑なトランスファーにご用心

公開 : 2025.01.12 19:05

複雑な駆動システムが維持の上での懸念材料

FFの生産は2016年まで続いたが、10年落ちの中古車となった今では、複雑な四輪駆動システムが維持の上での懸念材料であることは事実。そもそも、V12エンジンのイタリア製スーパーカーを安く維持できるとは、考えない方がいい。

デュアルクラッチATは、現代のユニットほど仕事が早くはない。市街地での乗り心地は硬め。それでも、アウトバーンを200km/h以上で疾走し、そのまま冬のアルプス山脈を駆け登れるフェラーリだと考えれば、多少の代償など取るに足らないと思えるはず。

フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)
フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)

見た目も、心が奪われるほどダイナミック。パートナーだけでなく、子どもや愛犬とも一緒のグランドツーリングは、素晴らしい記憶を残すに違いない。

新車時代のAUTOCARの評価は?

四輪駆動のフェラーリFFは、大きすぎて重すぎて、本物のフェラーリらしい走りは楽しめないと考える人はいるだろう。上級グランドツアラーとしては、シリアスすぎると感じる人もいるかも知れない。

しかし多少の妥協へ目をつぶり、悪天候でも屈せずフェラーリに乗りたい人にとっては、魅力的な選択肢になるはず。一生物の1台になるかもしれない。(2014年8月8日)

フェラーリFF(2011〜2016年/欧州仕様)
フェラーリFF(2011〜2016年/欧州仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

グレッグ・デュランス氏

「フェラーリFFを購入したのは2023年。結婚式のウェディングカーや、フランスへの家族旅行など、沢山の思い出を作ってきました。これまでに8000kmほど走っています」

フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)
フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)

「トランスミッションとトランスファーユニットが、懸念材料であることは理解しています。故障に備えて予算は確保していますが、今のところタイヤ交換だけで済んでいます。バッテリーは、状態を保つため車庫でのトリクル充電を欠かしません」

「正真正銘の、V12エンジンのフェラーリですよ。車内は充分に広く、運転体験はとても魅力的。間違いなく手放せない1台ですね」

購入時に気をつけたいポイント

パワートランスファー

複雑な四輪駆動を叶えるパワートランスファー・ユニットは、クランクケース・シールが劣化し、フルードが漏れて不調になることがある。正規ディーラーでの修理には、英国では3万ポンド(約585万円)ほど必要だといわれている。

しかし英国の場合、少なくない専門ショップが1万ポンド(約195万円)前後で修理とアップグレードを請け負ってくれる。オイルパンの割れにも注意したい。

ラジエター

フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)
フェラーリFF(2011〜2016年/英国仕様)

ラジエタークーラントの樹脂製タンクは、劣化でヒビ割れする。クーラント不足に注意したい。

トランスミッション

デュアルクラッチATは、滑らかに変速できることを試乗で確かめたい。フルード漏れが原因で、センサーが不調になる場合がある。状態が悪化すると、ユニット交換になる。

バッテリー

バッテリーの電圧が低下すると、エラーコードが記録される。リチウムイオン・バッテリーは長寿命だが、価格は高い。トリクル充電で、状態を維持するのが基本といえる。

電気系統

マネッティーノ・ダイヤルや、タイヤ空気圧センサーの不調は珍しくない。もしエラーコードが乱立している場合は、バッテリーの電圧を調べたい。

ブレーキ

カーボンセラミック・ブレーキが標準。交換はかなりお高く付く。トラクション・コントロールが頻繁に介入していると、リア側の方が減りが早い。

インテリア

センターコンソールのボタンやスイッチ類などは、表面がベタついてくる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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