【これで本当にマイナーチェンジ?】新型アストン マーティン・ヴァンテージは見た目も走りも全般改良!

公開 : 2025.01.06 11:45

各部の改変よりまとめ方の勝利

各部のチューニングより、クルマ全体のまとめ方の方が勝っているヴァンテージのマイナーチェンジ。それは結果的にアストンらしい上質な走りの部分にも効いている。

ドライビングモードは今回からウェットとインディビジュアルが追加されているが、あとはスポーツ、スポーツプラス、トラックで変わりはない。だが例えトラックモードでビルシュタインの減衰が最高レベルまで高まっても、レースカーのようにバタバタとした硬さにはならない。一定のしなやかさを含みながら、上下動だけが減る感じなのだ。

新型ヴァンテージは、各部の改変よりまとめ方の勝利と言える。
新型ヴァンテージは、各部の改変よりまとめ方の勝利と言える。    神村聖

今回の試乗車に乗り込んだ時はあまりに硬いカーボン筐体のオプションシートが気になっていたのだが、その硬質な感じとクルマ全体の質感にズレがない点も見事だと思った。それと同様にバネ下の重量軽減にも効くカーボンセラミックブレーキ(オプション)のタッチもタウンスピードから山道までほとんど変わらない点も進歩した点といえる。

渋滞の中で新しくなったコクピットをチェックしてみた。10.3インチモニターのインターフェイスに特に目新しい点はなく、整然と並んだ物理スイッチも景観は悪くないが、直感的に扱えるとは言い難い。それでもステアリングスポークの左側のスイッチ群で操るACCは信用できるので、現代的な実用性は担保されていると言っていいだろう。

アストン マーティンは『仕立ての良いスーツを着て激しい戦いを挑むようなクルマ』であり、敢えて新型! と呼びたくなるヴァンテージも全方位的にアストンらしさが高められていた。見た目だけで選んでも問題ない1台であると言っておこう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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