鍵を手放したくない…! 2024年長期テストで最も好印象だったクルマ 8選

公開 : 2024.12.31 06:25

アバルト500e

スマート#1は、あの手この手で注目を集めようとしていたことは間違いない。実際、ティショー記者はそのことをひしひしと感じていた。具体的には、「タッチスクリーンの隅で、あの小さなキツネのようなものがずっと踊っているのはなぜだ?」と。

しかし、ご近所の注目を集めたのは、アバルト500eのド派手な塗装と合成された排気音だった。「誰もがその派手な色を見て指をさしたり、コメントしたりしていた。そして僕が偽物のエンジン音を鳴らした時には皆が笑った」とカルマー氏は言う。

アバルト500e
アバルト500e

レトロな高性能EVのハンドルを握って数日後、アトウッド記者も同意した。「とにかく黄色くて、多くの点で素晴らしいのだが、後はまったく馬鹿げている」

500eの管理担当として、筆者は上記のすべてを心から保証できる。昔の同級生から同窓会の誘いのメールを受け取ったとき、筆者はすぐに編集部のテスト車両の予約表を開き、他に何が使えるか確認したほどだ。

BMW M2の鼻孔も同様に恥ずかしいものだったが、ブライス記者はあまり気にしていなかった。「オフィスでは、この話題で持ち切りだった。多くの人が嫌っているが、自分は大好きだ」

そして、プライヤー記者は友人をディフェンダー130に乗せて走った際に、SUVに対する嫌悪感を間近に見たという。「このクルマには乗らないと断言した知り合いがいたが、僕にはぴったりだった」

ジープアベンジャー・エレクトリック

アバルト500eは記者の票を集めたが、アシッドグリーンの紙吹雪が底をつきそうなので、推薦文を簡単にまとめておく。「あまりにも楽しすぎて、舗装道路にいるよりも長い時間、砂利敷の広場にいることになる」とウォリック記者は語った。しかし、彼は37.3kWhのバッテリーと最大充電速度80kWにすぐに飽きてしまった。

ブライス記者も同様に、500eに対して複雑な思いを抱いていた。「回生ブレーキのせいで、スムーズな運転ができない。しかし、まるでテニスボールのようなクルマだ。小さくて、素早く、機敏に動く」

ジープ・アベンジャー・エレクトリック
ジープ・アベンジャー・エレクトリック

プライヤー氏は500eを推薦しながらも、「しかし、『愛している』というのは言い過ぎかもしれない」とした。代わりに、今、ステージに上がってもらいたいのは、ジープ・アベンジャー・エレクトリックだ。

ポーランド産米国車の小型SUVであるアベンジャーは前途有望に見えた。デザインも良く、価格も魅力的で、欧州カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。しかし、長期的には、不作法によりその蜜月はあっけなく終わってしまった。「基本的なソフトウェアに不具合があり、このクルマへの信頼を失ってしまった」とティショー記者は言う。

「しかし、そこを直せば、ジープの大型モデルのスタイリングをうまく縮小した良い小型車になる」

バプラート記者はもっと辛口で、「欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞車としてスタートし、ロードテストでは3.5つ星の評価を得たが、高速道路でスクリーンがシャットダウンしたことで、完全に信頼を失った。しばらく運転していたが、このプラットフォームのどのクルマも同じだが、ドライビング・ポジションがひどすぎる。まさに『チープ・アベンジャー』だ」と述べた。

一方、リメル記者はプジョーe-208を気に入っていたが、iコクピットにはどうしても馴染めなかった。「欠点だらけで、今でも採用されたことが信じ難い」という。

また、スカリオン記者は、ジュリアQVは完璧ではないかもしれないと静かに認めた。「全体的には素晴らしいが、どうやら警告灯を点滅させたり、バッテリーを消耗させたりするのが大好きなようだ」

ステランティスは全体的に、改善すべき点が多いようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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