【道は星に聞く!】GPSナビ誕生からポータブル隆盛までカーナビの歴史を振り返る

公開 : 2024.12.31 17:05

ソニーnav-u NV-U1(ソニー・2007年)

おなじみのソニーも、かつてはカーナビの主要メーカーのひとつだった。1992年から個性あふれるモデルを次々とリリースしていたものの、2005年に市販車載器事業から撤退。だが2007年に、まったく新しいブランド『nav-u(ナブ・ユー)』を引っ提げて突如復帰する。

じつはこの頃、台湾や韓国のメーカーが発売したポータブル型ナビの『PND』が日本市場で急速に人気を高めており、ウォークマンをはじめとしたポータブル機器を得意とするソニーは黙って見ていられないとばかりに、日本の大手メーカーとして初の本格参入を果たしたのだ。

小さいながらも高級感のあるソニーらしいデザイン。当時流行していた携帯端末、PDAに搭載されていたジェスチャーコマンドも採用。
小さいながらも高級感のあるソニーらしいデザイン。当時流行していた携帯端末、PDAに搭載されていたジェスチャーコマンドも採用。    ソニー

ポータブル型とはいえソニーの本気度はすさまじく、自車位置の測位にはGPSに加えて加速度センサーや気圧センサーまで内蔵して、徹底した高精度を追求。タッチパネルは当時流行していた携帯端末・PDAで好評だったジェスチャーコマンドを採用し、指先で円を描けば地図の拡大や縮小ができ、山を描けば自宅へのルート探索ができた。

また、付属DVD-ROMとパソコンを利用しての地図データ入れ替え、メモリースティックによるデータ拡張、ワンタッチ接続のVICSビーコンユニット(オプション)による渋滞回避ルート探索なども実現していた。

今では一般的なゲル式吸盤の採用も、車載用としてはこのモデルが初めてだ。あらゆる部分に業界初の機能が備わった画期的な一台といえる。

nav-uはこの後、モデルチェンジによって高機能化やバリエーションの拡大を図っていったが、市場全体の低価格化やスマホの登場などが影響し、2012年にシリーズは終焉。ソニーは再びカーナビ市場から撤退をした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。

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