大人がレゴで「スポーツカー」を作るとこうなる 90分の真剣勝負 問われる記者のセンス

公開 : 2025.01.07 18:05

マット・プライヤー – オフロードハイパーカー

一部の自動車メーカーによると、公式のプレス用写真は特定の角度と距離から撮影され、それから大幅に後処理されているという。

しかし、一般の人々はクルマをあらゆる角度から見ることになるので、それはナンセンスなやり方であり、僕(マット・プライヤー)はそんなことに時間を割くことはない。フェリックスが僕のオフロードハイパーカーのジオラマを間違った側面から撮影したことに気づくまでは。明らかに、背景はジオラマの奥に置くべきものだ。

マット・プライヤー記者はクルマ本体だけでなくジオラマを作り上げた。
マット・プライヤー記者はクルマ本体だけでなくジオラマを作り上げた。    AUTOCAR

ちなみに、背景を入れるのは不正行為でもごまかしでもない。ただ、バギーはそれほど複雑な構造ではないので、時間が余っただけだ。

僕はまず、全体のトーンを決めるホイールを探すことから始めた。フェリックス・ペイジ君が言うように、適切なサイズのホイールはあまりなかったのだが、オフロードスポーツカー用にぴったりのものを見つけた。

人間味とスケール感を加えるために、運転席を配置した。次に、ホイールベースを決め、フロントのオーバーハングをリアよりも短くした。その方が、比率的に速そうに見えるからだ。

そして、あちこち探し回って、キャノピーを片側に配置し、インテーク付きのエンジンらしきものを見つけた。その結果、すぐにコンセプトに似てきた。

次に細部に取り掛かった。バギーはたった30~40ピースでできているのだが、少々やり過ぎたかもしれない。ちょっとしたエアロパーツを付けた。フロントライトとリアライトも。エアスクープは効果的な高さに上げた。作業は完了し、時間も余裕があった。

他の仲間を待っている間、ぼんやりする代わりに、背景に作ってみようと思った。土台となるものを見つけ、グレーと茶色の表面加工を施して荒れたコースを表現した。

木を植え、廃墟のような建物と捨てられた馬車の車輪を置いた。バハや地中海のクロスカントリーラリーを走っているようなイメージだ。

僕はそのプロポーションに満足していた(とはいえ、結局はノーズ部分にボリュームを持たせ過ぎたと思うが)。そして、もしこの3台が本物だとしたら、僕が一番運転してみたいのはこれだ。

満足した僕は、リラックスして座っていた。その間、ペイジ君がうっかり正面からではなく背後からジオラマを撮影し、編集チーム全員にメールを送ったのだ。はぁ(ため息)。

しかし、剣を取るものは剣によって滅ぶ、と言われているように、どんな風に撮影されても精査に耐えるデザインでなければならない。だから、僕は評価を甘んじて受け入れよう。ブラボー、フィリップス。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 語り手

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 語り手

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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