【2026年市場投入】ホンダ、CES2025でゼロ・プロトタイプ2台を世界初公開!

公開 : 2025.01.08 04:05

アシモ(ASIMO)OSとは?

アシモ(ASIMO)の名を聞くと、かつてホンダが研究開発していたヒューマノイドロボットを思い出す人も多いだろう。ホンダではゼロ・シリーズにアシモと同様、『世界中の人に驚きと感動を与え、次世代EVの象徴となることを目指す』という想いを込め、Wiseの要となるビークルOSに『アシモ』の名を付けた。

アシモOSはソフトウエアプラットフォームとして、自動運転やADAS(先進運転支援システム)、IVI(車載インフォテインメント)などクルマのシステムを制御するECU(エレクトロニックコントロールユニット)を統合的にコントロールする。

ビークルOSにかつてヒューマノイドロボットに採用されていた、『アシモ』の名を付けた。
ビークルOSにかつてヒューマノイドロボットに採用されていた、『アシモ』の名を付けた。    本田技研工業

このアシモOSを基盤として、車載ソフトウエアをOTA(オーバー・ジ・エア)でインストールして常にアップデートすることで、クルマを販売したあともユーザー一人ひとりの志向やニーズに合わせて進化させていく。

従来のクルマは、その価値は売り出し時に決まるハードウエアの価値とほぼ同等だった。だが、アシモOSのようなビークルOSを採用したクルマは、ソフトウエアのアップデートにより、時代の進化とともにクルマの価値を高め続けることができるというわけだ。

ホンダでは、このアシモOSをホンダ・ゼロ・シリーズの各モデルへの搭載を予定している。

自動運転レベル3実用化を目指すアイズオフ

2021年、『ホンダセンシングエリート』を搭載したレジェンドは世界で初めて自動運転レベル3(アイズオフ)を実用化した。ゼロ・シリーズでは、このアイズオフ技術を進化させ、より多くのユーザーの手が届く自動運転車をグローバルで提供していく。

機械に正解を与えずに学習させ、自力でデータの規則性や特徴を導き出させる『教師なし学習』や、熟練ドライバーの行動モデルを組み合わせた独自のAI技術、さらには人やモビリティの研究で培ったホンダ独自の協調AIを活用。急な動物の飛び出しや落下物など、想定外の出来事に対しても素早く適切に対処できる、信頼性の高い運転支援を実現する。

ゼロ・サルーンの室内。アイズオフ技術を進化させ、より多くのユーザーの手が届く自動運転車を提供していく。
ゼロ・サルーンの室内。アイズオフ技術を進化させ、より多くのユーザーの手が届く自動運転車を提供していく。    本田技研工業

ゼロ・シリーズでは、まず高速道路での渋滞時アイズオフから自動運転技術を搭載し、OTAによるアップデートから運転支援、自動運転レベル3適用の範囲を拡大していく。運転の主体が人からクルマへ変わることで、『ドライバーによる移動中のセカンドタスク』が可能になる。

ホンダは世界に先駆けて全域アイズオフを実現し、移動の新たな可能性を切り拓いていくのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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