ホンダ 新型EVに「明確な個性」持たせるユニークなデザイン採用 欧州車にない多様性
公開 : 2025.01.09 18:25
ホンダがこれから全7車種を展開する次世代EVラインナップ「0シリーズ」は、それぞれ個性的なデザインを採用する。欧州の高級車ブランドとは異なる多様性を提案しようとしている。
EVのコモディティ化を回避
ホンダのEV「0シリーズ」のモデルはすべて、大胆かつシンプルなデザイン言語をベースとする独特のスタイリングを採用する予定だ。
2030年までに発売予定の7車種のEVのうち、最初の2車種は、今年のCESで「ゼロSUV(0 SUV)」と「ゼロ・サルーン(0 Saloon)」というプロトタイプで予告された。
この2車種は、シンプルで大胆なボディワークや室内空間に重点を置くなど、いくつかの重要な理念を共有しているが、全体的なプロポーションやライトなどの主要なスタイリング要素において、著しく異なる処理が施されている。
ホンダのデザインセンター長である南俊叙氏は、最初の2車種で「強い個性を与える」ことに焦点を当てたと語った。「現在、世界ではスタートアップ企業やIT企業など多くの新規参入者がEVを製造しており、EVはコモディティ化しかねない。しかし、これらは全く異なるものであり、明確な個性を与えたかった」
また、「0シリーズのモデルの柱となるような特徴的なデザインを追求した」と付け加えた。
南氏は、最初に発売されるゼロSUVは「ほぼ完成形に近い」とし、サルーンには「少し手を加える必要があるが、サイズと形状は同じまま」だと述べた。
「可能な限りピュアなデザイン」が0シリーズのラインナップの柱になるものの、「デザインの統一を図るつもりだが、サイズ以外は全く同じというわけではない」という。
「デザインは単一ではなく、車種ごとに親子ほどの違いがある。幅広いラインナップを用意し、欧州の高級車ブランドとは異なる多様性を持たせるつもりだ」
0シリーズはホンダの既存ラインナップとは全く異なるものであり、今後のエンジン搭載モデルも同様のデザインを採用することはないという。
「ハイブリッド車とエンジン車はデザイン面で異なるが、ダイナミックかつシンプルというのが将来のすべてのモデルのキーワードとなるだろう」
量産版のゼロSUVとゼロ・サルーンでは異なる名称が採用される可能性が高い。また来年には、「エントリーSUV」と呼ばれるモデルが加わる予定である。このモデルは、現行のZR-Vに近いサイズになると予想されている。
SUVとサルーンはグローバルモデルになると発表されているが、0シリーズの7車種すべてが世界中で販売されるわけではない。エントリーSUVに続き、2027年には大型の7人乗りSUVが発売される予定で、その後、小型および中型SUVと、より小型のセダンが続く。
ホンダは昨年のCESで、サルーンと並んで「スペースハブ」というミニバンのコンセプトを展示したが、それ以来、同車に関する情報はほとんど出てきていない。ただし、SUVのデザインに影響を与えたという話は聞く。
ホンダは、伝説的な「タイプR」バッジを付けた高性能モデルの可能性を排除していない。エンジン車と異なるトルク特性を活かし、音や振動、フィーリングなども含め、新しい運転の楽しさを模索している。