スコダ、主力EV「エンヤク」改良型発表 Cd値0.229を達成 内外装も一新

公開 : 2025.01.13 06:05

チェコのスコダが電動SUV「エンヤク」の改良を実施した。デザイン変更により空力性能が向上し、インテリアもアップグレード。標準装備が充実化し、販売にはずみをつける。

空力性能向上、標準装備も充実

スコダの電動SUV「エンヤク(Enyaq)」がマイナーチェンジを受け、新しいスタイリングを獲得し、インフォテインメント・システムがアップグレードされた。

エンヤクは、チェコの自動車メーカーでフォルクスワーゲン・グループ傘下のスコダが2020年に発売したEVで、同社として初めてMEBプラットフォームを採用している。大規模な改良は今回が初めて。

スコダ・エンヤク・クーペ
スコダ・エンヤク・クーペ    スコダ

改良型では「テック・デッキ(Tech-Deck)」という新しいフロントフェイスデザインを採用した。従来のフロントグリルを模した樹脂パネルと、細いLEDデイタイムランニングライトで構成されている。

また、1926年以来、スコダ車を飾ってきた翼のある矢印のロゴに代わって、ブランド名(SKODA)が装着される。

デザイン変更によって空力特性が向上しており、空気抵抗係数(Cd値)は0.257から0.245に低減した。クーペ仕様では0.240から0.229に減少しており、テスラモデルYの0.230をわずかに上回っている。

空気抵抗の減少により航続距離がわずかに伸び、最もバッテリーの大きいエンヤク85のWLTP公称値は576kmから578kmに増加した。

モデルラインナップも見直された。52kWhのバッテリーを搭載した航続距離376kmのエントリーモデル「50」は廃止となり、その代わりに、昨年廃止された「60」モデルが復活した。

60モデルは59kWh(使用可能容量)のバッテリーと最高出力204psのリアモーターを搭載し、0-100km/h加速は8.1秒、航続距離は431kmである。最大160kWで充電でき、24分で10~80%の充電が可能だ。

後輪駆動の「85」と四輪駆動の「85x」は、286psの最高出力はそのままに、ラインナップに残っている。後輪駆動モデルは航続距離が最も長く、充電1回あたりの航続距離は578km。これに対し、効率の劣る四輪駆動モデルは534kmである。

どちらも0-100km/h加速は6.7秒、最高速度は180km/h。最大175kWで充電でき、10~80%の充電は28分で完了する。

クーペ仕様では、85の航続距離は587kmに、85xは537kmに伸びる。

高性能グレードのエンヤクvRSの改良型はまだ発表されていないが、他のモデルと同様に、ほとんど変更はないと予想される。

インテリアでは、新しいデザインのステアリングホイールを採用し、標準でヒーター付きとなった。さらに、フォルクスワーゲン・グループのさまざまなモデルと共有される13インチのインフォテインメント・タッチスクリーンも備わっている。

シートヒーター(フロント)と3ゾーン・クライメートコントロールも標準装備となった。

改良型エンヤクの英国での納車は5月から開始される予定である。価格はまだ発表されていないが、現在のスタート価格である3万6970ポンド(約720万円)から若干の値上げとなる見込みである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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