フォルクスワーゲン・シロッコR-ライン 2.0TSI 220
公開 : 2015.02.09 23:40 更新 : 2017.05.29 18:57
テスト当日の天候は雪。機械式あるいは電子制御のデフが装着されていないため、静止加速やコーナーの脱出時にタイヤが空転することが多く看取された。
ただしグリップを再び取り戻してからの粘りは十分なもの。ブースト計が最大値を指すまでにほんのわずかな時間差を看取したものの、そこからの加速には思わずニヤリとしてしまう。
回転は一貫してなめらか。MTとDSGの両方を試したところ、こちらも十分に扱いやすいと感じた。なかでもDSGの変速マナーには、やはり唸らされる。
ここ最近の電制ステアリングは、やや冷徹で人間味にかける傾向があるものの、シロッコに関しては心配無用。重みは初めて乗ったときからしっくりとくるし、路面の情報も正確かつ緻密に伝えてくれる。
乗り心地も好印象。硬質ではあるけれど、予想を超える突き上げは一切なく、また不快に感じることもなかった。
内装も、外装同様にごくごく控えめな変更に留められている。したがって、納得のいくドライビング・ポジションはすぐに見つけだすことができ、操作系もすんなりと受け入れることができる。
残念なのは、ドア・ミラーの調整スイッチ。こちらも先代からの据え置きとなっているため、ドアを閉じてからだとボタンに印字された文字がが視認しにくく、直感的に操作できない。
ダッシュボード上部には3連メーターが追加されており、これを ’あとづけ感たっぷり’ と見る向きもあるかもしれないが、筆者は雰囲気を盛りあげてくれる大事な要素だと感じた。
後部座席は決して飾りなどではなく、実用に値する。またこの座席を倒せば、荷室容量は312ℓまで拡大し、大きな荷物も積み込むことができる。