R32型スカイラインGT-Rを電気自動車に!【R32EVを東京オートサロン2025で参考展示】

公開 : 2025.01.10 08:05

EVでもRB26DETTのサウンドを楽しめる!

インテリアでは、ステアリングホイールやシフトノブはオリジナルを再現。ただしステアリングホイールには疑似シフトモードとなるパドルを追加している。メーターのデザインや色合いはオリジナルを踏襲しているが、全面液晶モニター。センターコンソールのサブメーターなども液晶モニターで再現されるが、現段階ではダミーだ。

シートの形状や素材、色などはオリジナルに近いものをレカロに特注して装着。なお、このシートは市販化も検討されている。またEV化によるバッテリー搭載のため、リアシート部はカバーに覆われ、したがってR32EVは2シーターとなっている。

インテリアでは、ステアリングホイールやシフトノブはオリジナルを再現。
インテリアでは、ステアリングホイールやシフトノブはオリジナルを再現。    田中秀宣

さらに、R32の搭載エンジンであるRB26DETT型の音や振動を再現した(サンプリングではなく人工的に作られた)専用サウンドシステムを搭載。アイドリングの音から空吹かししたときの振動、さらにはパドルシフトで変速したときのエンジン音の変化も再現している。

アクセルペダルを踏み込めばサウンドは高まり、タコメーターの針はそれにシンクロして上昇する。もちろんEVだから、サウンドを消した静かな走りも可能だ。

完成形ではなく、今後も進化させていく

平工氏によれば、このR32EVはガソリン車をEVにコンバージョンしたものなので、またガソリン車に戻すことも可能だという(外したパーツはすべて保管してある)。現段階で走行は可能(東京オートサロン2025では走行シーンの動画も公開される)だが、まだ完成形ではなく、今後も進化させていくという。

残念ながら商品化の予定はない。現在の保安基準などを鑑みると、日産オーテックが販売するクルマとしては成り立たないようだ。海外で販売されているキットカーのような形態なら、可能性はあるのかもしれないが……。

現在の保安基準などを鑑みると、日産やオーテックが販売するクルマとしては成り立たないようだ。
現在の保安基準などを鑑みると、日産やオーテックが販売するクルマとしては成り立たないようだ。    日産自動車

いずれにしても、古き佳き名車を電動化された未来でも生かしたいと考えたときに、従来のようなレストアではない、新たなやり方を提案してくれたことは大いに意義があるといえるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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