本命はルノー5? ジュニアも 欧州COTY2025 ノミネート7台を再確認(1) 韓国勢2台の快挙

公開 : 2025.01.11 09:45

2024年の最優秀車を選ぶ欧州COTY2025 選考へ残った魅力的な7台 復活のルノー5が本命? 韓国勢が2台の快挙 EVとエンジン車を区別する時代の終焉を実感 英編集部が各魅力を再確認

2024年の最優秀モデルを選ぶCOTY2025

欧州市場で1年間に発売されたモデルから、最も優れた1台を決める。伝統ある、欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の規約の冒頭に、こんな文章が記されている。

過去の61年間を振り返ると、ちょっと疑問を抱くような受賞車も含まれている。とはいえ、民主主義で決められる事には、稀にそんな内容が含まれる。その年によって、新車のラインナップも大きく異なる。

2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)最終選考に残った7台
2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)最終選考に残った7台

欧州COTY2025は、2025年1月10日に開幕する、ベルギー・ブリュッセル・モーターショーで発表予定。この記事が公開される頃には、栄えある1台が決まっているはず。

1次審査では、2024年の初めから12月31日までに発売された全モデルで、審査員がコレだと思う7台を選出する。フェイスリフト版や派生モデルは含まれない。サルーンやステーションワゴンなど、モデルに複数のボディがあっても別々には評価されない。

今回、23か国に属する60名の審査員から選ばれたのは、計42台。その中で最多票を得た7台が、最終候補のノミネート車両として残る。再び60名の審査員が投票し、2024年のベストが決まる。

AUTOCARではクリスマス直前に、どの7台が選ばれるかを予想した。その内の4台は、シトロエンC3ダチア・ダスター、キアEV3、ルノー5 E-テックで、実際の最終候補7台にも含まれていた。

残る3台は、ヒョンデ・インスターとクプラ・テラマール、アルファ・ロメオジュニア・エレットリカ。今回は同僚のマット・ソーンダースとともに、各車の魅力を再確認してみたい。

魅力的な7台 客観的にはルノー5が本命

マーク・ティショー(MT):AUTOCARを代表して、自分が欧州COTYの審査員を務めるのは3回目です。全長が4.6mを超え、車重が2t以上あり、航続距離が440kmを超える電動クロスオーバーも、1次の42台には含まれていたんですよ。

マット・ソーンダース(MS):魅力的な7台になりましたよね。その内の3台は、お財布に優しいコンパクトカー。自分としては、久しぶりに本当の欧州COTYらしい候補だと思います。

グリーンのルノー5 E-テックと、レッドのアルファ・ロメオ・ジュニア
グリーンのルノー5 E-テックと、レッドのアルファ・ロメオ・ジュニア

ゼロエミッション・パワートレインの低価格化が進んだことが、大きいですね。喜ばしい結果だといえるでしょう。

予想通り、人気の中型SUVや小型クロスオーバーも含まれました。大きな高級車が加わっても良かったかもしれません。ポールスター3など。スコダのコディアックやスパーブなども、ノミネートする価値はあったと思います。

魅力不足なモデルはないですよね。コスパに優れたダスターでも、実用性を最重視しながら、デザイン的な誘引力も小さくない。

MT:そうですね。客観的には、自分はルノー5が本命のように思えます。4年前のコンセプトカーの発表以来、話題の熱は冷めませんでしたから。2024年の初試乗以降、さらにその熱気は増しています。

快適で洗練されていて、英国の一般道でも能力を発揮してくれました。走り味はスタイリングに見合ったもの。価格は2万3000ポンド(約449万円)ほど。ハイブリッドのルノー・クリオ(ルーテシア)より少し高いだけです。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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