【90kg軽く、40万円安い】ルノー・ファンに勧めたい新型アルカナはマイルドハイブリッド

公開 : 2025.01.14 11:45

MHVのほうが90kg軽い

試乗したのは、『アルカナ・エスプリ・アルピーヌ・マイルドハイブリッド』。新型もパワーソース以外の違いはないので、SHVとも外観は全く同じだ。その第一印象は、より洗練されたというもの。

今回の改良では、アルカナのクーペスタイルを活かしつつ、より大人なドレスアップが図られた。特にブラック化されたフロントグリルや新デザインのアバンギャルドなアルミホイールデザインが、よいアクセントとなっている。

1.3L直列4気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載。158psを発揮する。
1.3L直列4気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載。158psを発揮する。    神村聖

純粋な都市型シティクロスオーバーとしてデザインされたアルカナは、乗り味もコンフォート志向が強い。そのため、グランツーリスモ色を強めたエスプリ・アルピーヌの世界観は、よりキャラクターにマッチしていると思う。

これまでは話題性と燃費からSHVが販売の主役であったが、MHVの1.3Lターボも侮れない。まずエンジン単体で見ると、ICE仕様が広くルノー車に採用されており、その完成度には定評があるからだ。

実際にスペックを比較してみても、1.6Lエンジン+モーターのSHVのシステム出力が143ps(94+49ps)に対して、MHVではエンジン単体で158psを発揮。車両重量でも90kg軽いため、モーターの強みを考慮しても見劣りしないことが分かるだろう。

MHV最大の強みは40万円安い価格

実際に、街中から高速道路までHHVで走ってみたが、SHVの持つグランツーリスモのキャラクターを引き続きつつ、多段ミッションを活かしたメリハリあるスポーティな走りが楽しめた。

確かに、静粛性や加速力ではSHVの方が有利な点があるのは間違いないが、ICEと同等の走りとなるMHVはエンジン音と加減速に一体感があり、誰でも受け入れやすい。エンジンを使い切るルノー車らしい走りも魅力的だと思う。特に昔からのルノー・ファンは、MHVも併せて検討して欲しい。

燃費ではE-TECHに及ばないが、軽さとリーズナブルさは魅力だろう。
燃費ではE-TECHに及ばないが、軽さとリーズナブルさは魅力だろう。    神村聖

そしてMHV最大の強みは、40万円も安い価格にある。確かにSHVには税制優遇があるが、それでも40万円の壁を打ち破るまでではない。アルカナのスタイルに惚れているならば、MHVという選択もあることを覚えていて欲しい。何しろ、ビジュアルと装備は全くの同等なのだから。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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