【その名は12R】マツダ・ロードスターにレーシングスピリットを反映した特別モデル登場!

公開 : 2025.01.11 06:05  更新 : 2025.01.11 07:32

東京オートサロン2025においてマツダは、『マツダ・スピリット・レーシング』がスーパー耐久レースで鍛えた技術や知見を反映した特別モデル、『マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター』を発表しました。篠原政明がレポートします。

200台限定のスペシャル・ロードスター登場

東京オートサロン2025(以下、TAS2025)においてマツダは、スーパー耐久レースやクロスカントリーラリーなどに参戦しているクルマを中心に展示した。そして最大の目玉は、『マツダ・スピリット・レーシング』がスーパー耐久レースで鍛えた技術や知見を反映した特別モデル、『マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター』(以下、MSRロードスター)だ。

じつはこのMSRロードスター、昨年のTASに『マツダ・スピリット・レーシングRSコンセプト』として参考出品されていた。日本仕様のロードスター(オープン)には設定されていない2L直4エンジンを搭載し、サスペンションやブレーキなどを強化したモデルは、市販を目指しているといわれていたが、今回ついに市販化する方向で発表されたのだ。

東京オートサロン2025で公開されたマツダ・スピリット・レーシング・ロードスター12R。
東京オートサロン2025で公開されたマツダ・スピリット・レーシング・ロードスター12R。    山田真人

MSRロードスターには2種類が設定される。まず『MSRロードスター12R』は200台限定で、アルミ製タワーバーや黒い結晶塗装のヘッドカバー(限定200台を示すシリアルプレート付き)、専用シートやボンネットデカールなどが装着される。なんと1台ずつ職人が組み立てるというスペシャルモデルだ。

サイズは全長3915mm、全幅1735mm、全高1235mmとノーマルのロードスターと変わらない。パワートレーンは2LのSKYACTIV-Gをチューンし、最高出力は200psで、組み合わされるトランスミッションは6速MT。現段階で発表されている内容はこれだけだ。

車両価格は700万円台後半になる予定。今年秋にマツダ・スピリット・レーシングの特設サイトで予約開始し、年内には販売を予定している。なお、MSRロードスターには12Rではない特別装備のない標準モデルも設定される。こちらの車両価格は500万円台を予定している。

ロータリーエンジン復活も目指す

この2台のMSRロードスターがマツダ・ブースの目玉だったが、これ以外にもスーパー耐久レースに参戦している『MSRロードスターCNFコンセプト』や『MSRマツダ3バイオコンセプト』、XCRスプリントカップ北海道に参戦した『CX-5』、そしてCX-60ラリーコンセプトを出展。『共に挑む』をコンセプトとしたマツダのモータースポーツイメージを主張していた。

さらにマツダは、カーボンニュートラル時代でも『走る歓び』への挑戦を続ける。マルチソリューションでカーボンニュートラルにチャレンジし、時代に適合した内燃機関技術への挑戦だ。マツダによれば、バイオフューエルなどのカーボンニュートラル燃料を日本中のクルマが10%使用すると、650万台相当のCO2を低減できるという。

同じく東京オートサロン2025でマツダはCX-60ラリーコンセプトを出展。
同じく東京オートサロン2025でマツダはCX-60ラリーコンセプトを出展。    山田真人

また、藻類由来のバイオ燃料研究や、CO2回収技術の研究など、走れば走るほどCO2を減らすという技術にも挑戦している。

そして、昨年のTASでも述べられていたロータリーエンジン開発部門の再結成についてマツダの毛籠社長は、「ロータリーエンジンのエミッション適合性の開発は着実に進歩している」と語った。マツダのラインナップに、ロータリーエンジン搭載車が登場するのは、そう遠い未来の話ではないかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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