【価格は284.9万円から】小型BEVインスター日本初公開!ヒョンデの大本命となるか

公開 : 2025.01.12 07:05

ヒョンデは東京オートサロン2025で、小型BEV『インスター』を日本初公開しました。全長3.83m、全幅1.61mのコンパクトサイズで、価格は284.9万円からと戦略的です。大本命ともいえるこのBEVを、上野和秀がレポートします。

日本導入4モデル目は5ナンバー・サイズ

ヒョンデはZEV(ゼロエミッションビークル)のみを日本へ導入し、BEVのアイオニック5コナに加え、走りを突き詰めたアイオニック5Nをラインナップしてきた。そして4車種目のBEVとなるコンパクトな『インスター』が、東京オートサロン2025で日本初お披露目された。

インスターは、2024年6月に開かれた韓国・釜山モビリティショーで世界初公開されたヒョンデのスモールBEVで、韓国をはじめヨーロッパ各国ですでに発売されている。

東京オートサロン2025で日本初公開された小型BEV、ヒョンデ・インスター。
東京オートサロン2025で日本初公開された小型BEV、ヒョンデ・インスター。    上野和秀

インスター最大の特徴はこれまでにないコンパクトなサイズにある。現在日本で発売されているBEVは、軽自動車のサクラを除くとほとんどがCセグメント以上のサイズとなる。車幅も1800mmオーバーがあたりまえで、大容量のバッテリーを収容する関係からコンパクトカーがほとんど存在しなかった。

インスター最大のセールスポイントは、全長3.83m、全幅1.61mというコンパクトな5ナンバー・サイズにある。細い路地や狭い駐車場でも扱いやすいサイズのBEVは、これまで存在しなかった。また軽自動車では長距離を走るのは厳しいため、ひと回り大きいBセグサイズのインスターが注目されるのである。

日本仕様の開発に際しては、究極の小型車といえる日本の軽自動車を徹底的に解析して進められたという。あわせて日本の道路環境にマッチするセッティングで仕上げられた。

日本での認証前のため最終的なスペックは未発表だが、42kWhまたは49kWhの大容量駆動用バッテリーを採用し、85kw/147Nmを発揮するモーターは前輪を駆動する。欧州仕様で370kmの航続距離を確保している。

またヒョンデのBEV全車に搭載されている、車内外で電気機器を使用できる『V2L(Vehicle To Load)』機能は、インスターにも全車標準装備されている。

あえて4シーターにしたワケは

インスターはユニークかつ遊び心のあるスタイリングにより、個性際立つデザインが特徴だ。丸形LEDランプを前後に配した親しみやすいフォルムと、抑揚のあるボディラインが存在感を放つ。

注目したいのはインテリアだ。コンパクトカーながら4人乗りと割り切ったことにより、ゆとりのある後席スペースを確保。前席はベンチシートとされ、コラムタイプ電子制御シフトレバーの採用によりセンターコンソール周りをすっきりさせ、開放感のある空間を実現。

全長3.83m、車幅1.61mというコンパクトなサイズと個性際立つデザインが特徴。
全長3.83m、車幅1.61mというコンパクトなサイズと個性際立つデザインが特徴。    上野和秀

後席はゆったりとしたシートサイズに加え、リクライニングとスライド機能を採用する。ロングホイールベースに加え、BEVならではのフラットなフロアとあいまって、長時間の移動でもリラックスできる空間を確保されている。

また、前後席ともにフルフォールディングが可能で、テーブルとして使えるほか、長尺物も楽に積むことができる。これらの多彩なシートアレンジにより、日常の買い物からレジャーまでさまざまなシーンに対応できる。

シンプルかつ機能的なダッシュボードには、10.25インチの高解像度メータークラスターとナビゲーションのふたつの大画面ディスプレイを配し、運転中の視認性を向上。

これらの優れた居住空間に加え、最新の運転・駐車支援システム『ヒョンデ・スマート・センス』を備える。さらに、高速道路で前後車両との車間距離を維持する高速道路ドライビングアシスト(HDA)や周囲の状況をモニターに表示するサラウンドビューモニター(SVM)等を搭載。ペダルの踏み間違いによる急加速を抑制するぺダル踏み間違いセーフティアシスト(PMSA)が、ヒョンデ車として初採用された。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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