【共通点は人に寄り添う】ミライースGRスポーツから災害救助車まで、ダイハツの姿勢に注目!

公開 : 2025.01.12 12:05  更新 : 2025.01.12 13:18

ボランティア活動の経験を生かして

災害救助車では、実際に現地に出向き活動を行っているハイゼットトラックリフトを改造した災害支援車が出展された。ダイハツの工場がある北九州で筑後川水系の氾濫などを経験しており、ダイハツではボランティア活動やその運営に携わるコーディネーター研修なども受け、活動している。このクルマもそういった経験や社会福祉協会や市、NPO団体と何が必要かを検討しながら作り上げた。

その経験で生かされたひとつに分電盤がある。現場でボランティアがリールコンセントをたこ足配線で利用していたところ、ボヤ騒ぎがあったそうだ。そこで、分電盤とともに、コンセント1個にひとつしか挿したらダメという運用ルールも作っていったという。

文中に登場するダイハツのおふたり。左が米山さん、右が殿村さん。
文中に登場するダイハツのおふたり。左が米山さん、右が殿村さん。    内田俊一

また昨年は能登へもボランティアセンターを立ち上げに行った。そこで初めて経験したのは冬という季節だ。そこでスリップの恐れがあるのでチェーンやスタックヘルパーなど冬に対する装備も必要だと気づき、アップデートしていっているそうだ。

さばいどる・かほなんさんとコラボレーション

最後は防災啓発活動に使われているアトレー・ワイルドレンジャー2だ。YouTuberでタレントでもあるさばいどる・かほなんさんとコラボし、防災資格を持った彼女と一緒に考えたクルマで、市やテレビ放映、アウトドアイベントなどで防災の啓発活動の一環としてこのクルマを使っているという。

今後発売予定のハードカーゴ社製のルーフキャリアやタイヤを14インチにアップすることで走行安定性を高めている。また荷室にボックスを備え、そこに防災アイテムが入っている。例えば消火器やジャッキ、電源も備えられているほか、チェーンソーやスコップ、斧も整理されて搭載。こういったアイテムなどもさばいどる・かほなんさんの提案などを受け乍ら作り上げた。

これまでダイハツは実際にできそうな装備でのカスタムを多く提案してきたが、今回は地域に寄り添い、日々の暮らしを守るべく実際に使っているクルマをチョイス。従ってミライースGRコンセプト以外は、すべてナンバーが付いている。

米山さんは、「ダイハツは普段からこういう活動していることを皆様に知ってもらう機会にしたかった」と述べるように、影になり日向になり人々の生活をしっかりと見つめているダイハツの姿勢が感じられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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