アマゾン、エベレスト、ルマン… 車名が地名になっているクルマ 26選(前編) 「A」から「L」まで

公開 : 2025.01.18 18:05

C:キャデラック & オールズモビル・カレー

GMは1965年に、キャデラック・シリーズ62の後継車にカレー(Calais)という名称を使用した。これは1970年代に廃止されたが、1980年代にオールズモビルのセダンで再び採用されている。カレーは、フランスと英国を隔てるドーバー海峡の最も狭い部分にあり、古くから交易の中心となる港町として栄えてきた。そんな華やかな歴史を誰が嫌がるだろうか。

C:キャデラック & オールズモビル・カレー
C:キャデラック & オールズモビル・カレー

D:ダッジ・デイトナ

ここはフェラーリ・デイトナを選ぶべきだろう。なぜなら、フェラーリだからだ。しかしマラネロは、デイトナは1967年のデイトナ24時間レースでの成功後に作られた365 GTB/4の非公式名称であると主張している。それでは、ダッジ・デイトナ(Daytona)にしよう。

ダッジ・デイトナは1984年に登場した平凡なハッチバックだ。巨大なウィングを持つ1960年代の “エアロウォリアー” である、伝説的なダッジ・チャージャー・デイトナにあやかって命名された。

D:ダッジ・デイトナ
D:ダッジ・デイトナ

E:フォード・エベレスト

誰もが疑問に思っていることだが、SUVのフォード・エベレスト(Everest)でエベレスト山を登れるのだろうか? 実際、チベット側の標高5150m地点にあるベースキャンプまでは行けるが、道路はそこで途切れている。クルマがこれまで登ったことのある最高地点は、パイクスピークの英雄、ロマン・デュマが運転する特別改造のポルシェ911カレラ4Sの6734mだが、エベレストの標高は8849mだ。つまり、疑問に対する答えは「ノー」ということになる。

E:フォード・エベレスト
E:フォード・エベレスト

F:ルノー・フロリード

1958年に登場したフロリード(Floride)は、ドルフィンをベースとする2シーターだ。車名はフロリダ州で開催されたルノーの販売代理店の会議が由来となっている。米国のディーラーが、フランス企業のイメージアップのためにクーペを推したのだ。フロリードという名で発表されたが、奇妙なことに、米国では当初から「カラベル」という名称が使用されている。他の州の消費者を遠ざけないためだと伝えられているが、これは「フロリダマン」というネットミームがインターネット以前から存在していたことの表れかもしれない。

F:ルノー・フロリード
F:ルノー・フロリード

G:MGグロスター

グロスター(Gloster)はMGのインド市場向けのSUVである。英国では販売されていないが、この名称は英国にルーツがあり、チェルトナムに拠点を置く航空機会社グロスターに由来する。同社は1917年にグロスターシャー・エアクラフトとして設立されたが、「グロスターシャー」という名称が外国人には発音しにくいという理由で1926年に改名されたのだ。

ちなみに、クルマとは無関係だが、実はウスターソースもウスターシャーソース(英ウスターシャー州に由来)の略である。

G:MGグロスター
G:MGグロスター

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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