新型ルノー「5」 2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞 審査員による解説付き

公開 : 2025.01.14 06:05

ルノー5 Eテックと兄弟車アルピーヌA290が2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)に選ばれた。2位はキアEV3、3位はシトロエンC3だった。審査員のコメントを紹介する。

デザイン、走り、価格の好バランス

ルノー5 Eテックと、その兄弟車であるアルピーヌA290が、2025年の「欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」を受賞した。ルノーは、このコンテストで2年連続の受賞となった。

5とA290は、23か国から集まった60人の審査員から合計353点を獲得した。そのうち25人が、この2台を1位に選んだ。

ルノー5 Eテック
ルノー5 Eテック

2位のキアEV3は合計291点を獲得した。

シトロエンC3/e-C3が215点で表彰台を飾り、続いてヒョンデ・インスター(172点)、ダチア・ダスター(168点)、クプラ・テラマール(165点)、アルファ・ロメオジュニア(136点)と並ぶ。

前回2024年の受賞車はルノー・セニック、2023年にはジープアベンジャーが栄冠を手にしている。

ルノーは、1995年と1996年にプントとブラーボ/ブラーバで受賞したフィアット以来、初めて2年連続で受賞したメーカーとなる。

AUTOCAR英国編集部は欧州COTYのスポンサーであり、編集者のマーク・ティショーが審査員を務めている。

全60人の審査員はそれぞれ、前年に発売され、運転したことのある新型車の中から7台をノミネート(推薦)する。そして、最も多くの票を集めた7台が最終候補となる。

欧州COTYの選考対象となるのは前年にフルモデルチェンジし、発売された新型車のみ。最近のマイナーチェンジ(一部改良)モデルであるテスラモデル3やルノー・クリオなどは認められない。また、派生モデルは新型車や独立したモデルとはみなされず、アルピーヌA290はベースとなったルノー5と同一車種という扱いとなる。

以下、欧州COTY審査員であるAUTOCARのマーク・ティショー編集者による最終候補7台の配点と評価を記す。

ルノー5/アルピーヌA290:9点

魅力的で手頃な価格のEVであるという点で、ルノーだけでなく、自動車業界全体にとっても非常に大きな意味を持つ。ルノー5の素晴らしいスタイリングは、快適な乗り心地と絶妙なパフォーマンスによって裏打ちされている。インテリアは、わずかな価格差でクリオ(日本名:ルーテシア)から大幅に進化している。アルピーヌはさらに輝きを加えているが、5も十分に強力だ。

ルノー5/アルピーヌA290:9点
ルノー5/アルピーヌA290:9点

ダチア・ダスター:6点

あらゆる面で旧型ダスターを大きく上回り、心にも頭にも訴える。ダチアが要求する金額が少ないため、さらに素晴らしい。ダスターは、低価格帯を維持しながら、ただの安っぽいクルマから脱却しつつあるダチアの現在地を表している。ただ、今回のコンペティションでルノー5に遭遇したのは不運だ。

ダチア・ダスター:6点
ダチア・ダスター:6点

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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