新型ルノー「5」 2025年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞 審査員による解説付き
公開 : 2025.01.14 06:05
シトロエンC3/e-C3:4点
運転しやすく、アプローチもシンプル。選考を通じて、その優れた走りが筆者を魅了していった。しかし、低価格であることを巧妙に隠したダチア・ダスターには、出し抜かれてしまったような印象を受ける。C3は、その地味な外観と質素な雰囲気から、常に安価なクルマであることを思い出させる。それでも、特にe-C3の価格は素晴らしい。気に入る点が多い。
キアEV3:4点
EV3は、ほぼすべての点で優れており、悪いところはまったく見当たらない。前身となるニロEVよりも大幅に改善されている。特にインテリアは素晴らしい出来で、航続距離も長い。価格も手頃だ。ただ、ルノー5がまったく新しい分野を開拓しているのに対し、EV3は、このタイプのクルマが長い間歩んできた道の次のステップという感じである。高得点を得られない理由はそこにある。
クプラ・テラマール:1点
単独でみるとかなり良いクルマだが、新しさは感じられない。テラマールのようなクルマはフォルクスワーゲン・グループの他の製品でも見たことがある。それは悪いことではないが、いまいち目立たない。一番の長所は、内外装ともに視覚的に興味をそそられることで、がっかりするほど平凡な競合車種に対して有利に働く。そのため、筆者はクプラの掲げるコンセプトや試みが気に入っている。
ヒョンデ・インスター:1点
キュートなスタイリングは、大人っぽい内装とはかけ離れているため、同じ小さなパッケージに収められているとは信じがたい。車内空間の巧みなパッケージングと広さが最大の特徴だ。運転感覚は期待通りではなく、かなり大人しく、かつてのホンダeのような楽しさは皆無である。英国ではルノー5と並ぶ価格だが、残念ながら遠く及ばない。
アルファ・ロメオ・ジュニア:0点
ステランティスのブランドは、スタイリングの違いで各車種の差別化を図ることに成功しているが、内装や走りに関しては違いを見分けるのが難しい。ジュニアはまさにその典型で、アルファ・ロメオの皮を被ったジープ・アベンジャーとしか思えない。アベンジャーは2年前に欧州COTYに選ばれたが、それ以来、世界は大きく変化している。アルファ・ロメオは、以前にも同じようなことがあったように感じられる。