トヨタが「ミドシップ・スポーツカー」発表 次期型MR2への布石? 2.0Lエンジンで最大600ps超

公開 : 2025.01.14 18:05

トヨタは東京オートサロン2025で「GRヤリスMコンセプト」を公開した。2.0Lターボエンジンを中央に搭載し、最高出力400~600ps以上を発生。スーパー耐久シリーズに投入して耐久性をテストしていく。

ヤリス派生型か、新型MR2

トヨタは1月10日から1月12日にかけて開催された「東京オートサロン2025」において、ミドシップ仕様のGRヤリスを披露した。今後の派生モデル、あるいは新たなミドシップ・スポーツカーを示唆するものだ。

「GRヤリスMコンセプト」と名付けられたこのモデルは、従来のフロントマウントされた1.6Lターボエンジンから、座席の後ろにマウントされた2.0Lターボエンジンに置き換えている。

トヨタGRヤリスMコンセプト
トヨタGRヤリスMコンセプト    トヨタ

これは、トヨタが同胞であるマツダスバルとの提携の一環として開発した新型エンジンであると思われるが、詳細はまだ明らかになっていない。

最高出力は公道仕様で約400ps、レース仕様で600ps超とされている。四輪駆動で、パワーの半分を前輪に伝達することができる。

トヨタは、試作エンジンを「壊れるまで」酷使するために、GRヤリスMコンセプトを日本のスーパー耐久レースシリーズに投入すると発表した。

その過程で、モリゾウ(豊田章男会長)を含むドライバーからのフィードバックが得られるだろう。

このことから、MコンセプトはGRヤリスのさらなる進化ではなく、まったく異なるモデルを示唆している可能性がある。昨年5月に市販化が決定されたと報じられた、MR2復活のためのテスト車両である可能性も考えられる。

注目すべきは、GRヤリスのホイールベースが過去のMR2に近い2560mmであることだ。初代MR2は2320mm、第2世代は2400mm、第3世代(MR-S)は2450mmである。

名高いミドシップ・スポーツカーの現代版が登場するとすれば、先代よりも大型化し、サイズ的にはGRヤリスに近づくことになるだろう。

しかし、トヨタはこの点について何も公表していない。

これまでに、トヨタが新MR2に関して示した最大のヒントは、自社制作アニメ『グリップ(Grip)』でのものだった。シーズン2エピソード1『Who’s Next』の冒頭から48秒あたりで、「スープラMk6」、「セリカMk8」、「MR2 Mk4」、「GR86 Mk3」、「GR GT3」といった、未発表のクルマの名前が映し出されたのだ。

それ以来、トヨタの中嶋裕樹副社長が次期型セリカの開発に着手すると公言しており、上記の他のモデルも計画中あるいは検討中である可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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