テスラ新型「モデルY」受注開始 デザイン刷新で空力性能アップ 595万円から

公開 : 2025.01.15 06:05

テスラ・モデルYの改良型が登場し、国内での受注が始まった。内外装を一新し、空気抵抗を減らすなどして効率性を高め、最大航続距離635kmを実現した。

航続距離は最大635km 乗り心地も改善

改良型のテスラモデルYが正式に発表され、1月10日より日本国内で受注が始まった。初回限定版「ローンチ・シリーズ(Launch Series)」の税込み価格はRWDで595万円から、ロングレンジAWDで683万9000円からとなっている。

テスラは世界市場で激しい競争に直面する中、ベストセラー車であるモデルYの改良によって競争力の強化を図る。改良型は「プロジェクト・ジュニパー」というコードネームが付けられ、今月初めに欧州でテスト走行が目撃されていた。

改良型テスラ・モデルY
改良型テスラ・モデルY    テスラ

概して、今回の改良は昨年テスラ・モデル3に施された改良とほぼ同じ内容であり、効率性、快適性、質感の向上に重点が置かれている。

目玉となる変更点は、新デザインのエクステリアである。フロントとリアにワイドLEDライトバーを採用したほか、バンパー形状も変更した。

テスラにとってモデルYの商業的成功は最も重要な資産であり、同車をテコに、長期にわたる販売不振から脱却しようとしている。

発売からほぼ5年間、大幅なアップデートが施されていなかったため、ライバル車に対して使いやすさや性能面での優位性を維持できなくなっていた。

発売当初、モデルYの長い航続距離は注目すべき特徴であったが、現在ではライバル車に追い越されている。例えば、プジョーe-3008は欧州WLTPサイクルで700kmを謳っている。

テスラは、新しいデザインやサスペンション、ホイール、タイヤを採用することで「効率を最大限に高め、1kWhをより有効に活用する」としている。

モデルYの空気抵抗係数(Cd値)は0.23から0.22に減少したと言われており、市販EVでトップクラスを誇る。これにより航続距離が伸び、さらに走行時の風切り音も低減されるはずだ。

ボディボディは全長4800mm、全幅1980mm、全高1625mm、と従来型より約40mm長くなった。

インテリアでは、モデル3と同様に、素材や車載システムがリフレッシュされているが、大幅な変更は加えられていない。

後席用にタッチスクリーンが搭載され、後部座席は電動で折りたためるようになった。前部座席にもベンチレーション機能が追加され、新しいファブリック素材は「まるで宇宙空間に浮かんでいるようなリラックス感」をもたらすという。

各機能の操作はダッシュボードに取り付けられた15.4インチのタッチスクリーンで行うが、最新ソフトウェアによってレスポンスと品質が向上している。

現時点では、改良型が発表されたのは四輪駆動の「ロングレンジAWD」と後輪駆動の「RWD」のみ。1回の充電あたりの航続距離は、ロングレンジAWDで635km、RWDで547km(いずれも自社測定値)となっている。

また、ツインモーターを使用するロングレンジAWDの0-100km/h加速タイムは従来よりも0.5秒速く、4.3秒となった。一方、シングルモーターのRWDは0.3秒速く、5.9秒となっている。最高速度はいずれも201km/h。ピーク充電速度は250kWのまま変わらない。

初回限定版のローンチ・シリーズは、4月に納車開始予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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