BMW M5 vs ポルシェ・パナメーラ HV高速サルーン比較(1) 2435kg対2360kg 728ps対680ps
公開 : 2025.02.01 09:45
7代目でプラグインHVへ進化したBMW M5 車重2435kg、全長5096mmは合理的で必然的? 巨大な野獣かネイティブな流暢さか ポルシェ・パナメーラとの比較で英編集部が実力を探る
車重2435kgと全長5096mmは合理的で必然的?
真冬のグレートブリテン島を照らす西日が、7代目BMW M5のシルエットを際立たせる。この実力を探るべく、望ましい道路を求めて少し遠くまでやって来た。グレートブリテン島南西部、ロンザの渓谷だ。
歴代のM5は、いずれも素晴らしい称賛を集めてきた。だが、先代の評価へとらわれるのは良くない。2025年にも、能力を比べるのに相応しいライバルは存在する。

BMWは、G90型M5の記者向け発表会で、歴代モデルを展示していた。ところが参加者の反応は、彼らの期待とは違ったようだ。従来より大きく重く、複雑で、コミュニケーション力が及ばない印象を、より強いものにしていたように思う。
だが、新しいM5が2435kgの車重を持ち、5096mmの全長と1970mmの全幅を得たことは、合理的で必然的なものかもしれない。安全性と電動化の強化は、避けられない。BMWが、望むと望まずとに関わらず。
最新のM5が、もし4気筒ターボエンジンを積んでいたら、どう受け止められただろう。バッテリーEVの方が賢明だっただろうか。電動化技術を一切積まない、限定生産のV8エンジン仕様が理想といえるだろうか。
少なくともBMWに、同じことを繰り返すという選択肢は存在しなかったはず。筆者は、これまでの特長を最も体現できるメカニズムが選択され、商業的に存続させうる最善が尽くされたのではないかと捉えている。
ポルシェ・パナメーラHVとの差は大人1人ぶん
果たして、今回の比較相手として選んだポルシェ・パナメーラ・ターボE-ハイブリッドより、75kg重い高性能サルーンが誕生した。もちろん、動的能力を考えれば1kgでも軽い方が良い。だが、大人1人ぶんの重さともいえる。
走り比べる場所は、日がだいぶ傾き冷えた英国のワインディング。75kgの違いは、実際には、さほど大きな影響を及ばさないかもしれない。2025年のハイエンド・パフォーマンスモデルの多くは、往々にして軽くない。

パナメーラのボディに、大きなキドニーグリルが映り込む。「アイコニックグロー」LEDが仕込まれ、うっすら発光している。1990年代のコメディ俳優がふざけているような、そんな心象を生む。光らせる必要はあったのだろうか。
BMWは、最新世代のM5にも、例によって力を抜かなかった。サルーン(リムジン)とステーションワゴン(ツーリング)、2種類のボディを設定。AUTOCARではプロトタイプに続いて、量産仕様も2024年に試乗しているから、読者は概要をご存知だろう。
フロントに搭載されるのは、2基のターボで過給される4.4L V8エンジン。トランスミッションは8速オートマティックで、電子制御の四輪駆動システムが実装される。
サスペンションは、プログレッシブレートのスチールコイルスプリングと、アンチロールバーで構成。パワーステアリングは電動で、後輪操舵システムも備わる。
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