135psのハイブリッド登場 アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダへ試乗 「らしさ」どのくらい?

公開 : 2025.01.27 19:05

同クラスでは加速は活発 落ち着いた操縦性

運転姿勢は、腕を伸ばし、膝を少し曲げたスタイル。これは、CMPプラットフォームがベースのモデルで共通するもの。後席側の足元空間は、やや狭め。荷室容量は415Lで、ライバル以上に広いわけではない。

アルファ・ロメオを車内でより感じたい場合は、オプションのサベルト・シートを選ぶのが良さそうだ。バケットタイプで高価な装備だが、ぐっと車内のスポーティな雰囲気は高まる。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)

このクラスのクロスオーバーとして、加速は充分に活発。ある程度、エンジンを気張らせる必要はあるけれど。これも、ステランティスの他のモデルに通じる特徴といえる。

6速デュアルクラッチATは、反応が若干鈍い。回転数を低めに保とうとする制御で、エンジンが息苦しそうになる場面がある。マニュアルモードで自らギアを選べば、スポーティなサウンドを聞きながら、キビキビと加速できる。

落ち着いた操縦性も、CMPプラットフォームを採用するモデルらしい。グリップ力は高く、旋回初期の反応は良好。ステアリングの感触は、プジョー2008より僅かに手応えがある様子。楽しいとまでは表現しにくいが、全体的なまとまりは優れている。

アルファ・ロメオなら、もう少しシャープで、ラインを自在に選べても良い。乗り心地が、際立って良いわけでもない。それでも、このクラスとしてはスポーティではある。

小さなクロスオーバーとしては好ましい選択肢

もっとも、ジュニアは小さなクロスオーバー。アルファ・ロメオらしいボディタイプではない。競合はステランティス・グループの各車の他に、レクサスLBXフォルクスワーゲンTクロスなど。車高は低いが、ミニ・クラブマンも該当するだろう。

英国価格は未定ながら、ベルギー仕様を参考にすると、約2万3500ポンド(約458万円)からとなる見込み。スペチアーレ・グレードでは、2万6000ポンド(約458万円)程度になるはず。英国で主力になるのは、後者になると考えられる。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)

純粋に、全長4173mm、全幅1781mmのクロスオーバーだと割り切って捉えるなら、ハイブリッドのジュニアは好ましい選択肢になる。クラブマンやLBXと同等の、高級感はないとしても。

ステランティス・グループ内で比べれば、しっかりプレミアム。運転しやすく、燃費も良い。検討候補に加えたい、周囲とはひと味違うモデルには仕上がっている。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約2万6000ポンド(約458万円/予想)
全長:4173mm
全幅:1781mm
全高:1535mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:19.2-20.4km/L
CO2排出量:110-117g/km
車両重量:1305kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:135ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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