アルファ・ロメオ・ジュリアQV 長期テスト(3) 高性能なクラシックカーと遜色ない充足感

公開 : 2025.02.09 09:45

500馬力超えのイタリアン・スーパーサルーン、ジュリアQV フェラーリのV8と関係が深いV6エンジン 値段に相応しい体験か? 普段使いとの適合性は? 英編集部が長期テストで魅力を深掘り

積算1万4995km ドラッグレース・モードの単位

アルファ・ロメオジュリア・クアドリフォリオのインフォテインメント・システムには、ドラッグレース・モードがある。そこには、加速タイムなどのデータを記録できる、便利なメニューが備わる。

ただし、マイル(MPH)とkm/hで、単位が間違っている様子。0-60MPH(0-97km/h)2.0秒、0-100MPH(0-160km/h)3.7秒を、塗り替えることは不可能だろう。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

積算1万5145km 結婚で手放したロードスター

クルマ好きの多くは、休日のドライブを楽しみにしているはず。少し余裕のある人なら、そのためのお気に入りの1台を所有されているかもしれない。クラシックカーなら、ガレージも用意して。

自分も、過去にそうしていた。NA型の初代マツダMX-5(ロードスター)を持っていた。しかし、結婚を機に売却することを決めた。手放す直前の1年間に、増えた走行距離は320kmほどだった。今でも、時々思い出す。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

悲しいことに年齢を重ねるにつれて、クルマを楽しめる時間が短くなってきたように思う。とはいえ、今の筆者の手もとにはジュリア・クアドリフォリオがある。数年前から計画していた、少し特別なドライブを実行することに決めた。

クラシカルな高性能モデルと遜色ない充足感

自分がロンドン東部の郊外へ引っ越して来たのは、数年前。遠くない場所に好適なドライブルートがないものか、グーグルマップを眺めて調べるのが、ささやかな楽しみだ。インターネット上の、他愛もないインプレッションにも目を通して。

その中で偶然出会ったのが、グレートブリテン島東部、エセックス州のとある道を紹介したサイト。比較的古い投稿だったが、不思議と共感する部分があり、それ以来いつか走ってみたいと考えていたのだ。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

空は晴れていて、太陽の光は少しオレンジがかっている。市街地の30マイル(約48km/h)ゾーンを抜けると、エトナ・レッドに塗られたジュリア・クアドリフォリオが、息を吹き返す。本当に、生き生きとしているように思えた。

しばらく走って、オススメされていたルートへ到達。V6ツインターボエンジンは、既に充分温まっている。マフラーのバルブが開かれ、勇ましい唸りが放たれる。アルファ・ロメオの本領を、解き放つ時がやって来た。

速度が増すほど、メカニズムの印象が強まり、すべてが直感的になる。車線維持支援システムと、アイドリングストップ機能をオフにすれば、クラシカルなパフォーマンスモデルと遜色ない充足感が襲ってくる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト アルファ・ロメオ・ジュリアQVの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×